■第40回 あなたの給料、来月から減ります
このメルマガを購読されている方は
会社員の方が多いと思います。
そんな方に、
お知らせしておくことがあります。
「6月から、あなたの給料は減ります」
もうちょっと正確に言います。
6月から住民税が高くなってしまうので
手取りが減るのです。
理由は国から地方への税源移譲・・・ですが、
興味がないでしょうからカットします。
関心があるのは、
税金が高くなるのか、安くなるのかでしょう。
国は、
「住民税は高くなるけど、
その分所得税を減税する」
「トータルでは、負担は変わらない」
と説明しています。
が、多くの方は負担増になります。
同時に所得税の定率減税を廃止しているからです。
実際、今年の1月から
所得税は下がっていますが、
「手取りが増えた」
という実感を持っている方は
どれだけいらっしゃるでしょうか?
そんな現状のまま、
来月には住民税の増税がやってきます。
多くの方は
「住民税が高くなった」
という印象だけが残るのでは・・・
と思います。
そもそも、
「トータルの負担が変わらない」
=「トータルの徴税額が変わらない」
のであれば、
わざわざ手間暇をかけて、
制度をいじる意味などありません。
必ず、どこかに
「制度を作る側にとって」
メリットになる部分があるはずです。
「制度を作る側にとって」
メリットがない場合・・・というのは、
「選挙対策」
など、人気取りの目的がある場合くらいです。
さて、
「税源移譲」を説明した国の資料を見ると、
「負担は変わらない」と大きくPR。
で、この「定率減税廃止」については
さらっと書いてあります。
※このメルマガを配信した頃には、
国税庁のホームページに
「定率減税廃止」の案内が
大きく掲載されていました。
現在は削除されているようです。
最近の国の動きを見ていると、
こういうことが多いように感じます。
耳障りがいい部分をPRし、
こっそりと負担をおしつけるのです。
ただ、必要な情報自体は
ちゃんと提供されています。
注意深く読めば、
そのカラクリに気付くことは可能です。
予備知識がない人が読んでも
分かるように書くべきだとは思いますが・・・
毎月給料を使い果たしてしまうという方は、
6月に備えて少し節約しておきましょう。
公共料金やクレジットカード代金の
口座引落しができなかった・・・
なんて事態になると、
キャッシングに走るはめになります。
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■編集後記
「耳障りがいい部分をPRし、
こっそりと負担をおしつける」
人を支配する階層の人間は、
こういう「騙しの構造」を、うまく使います。
私が以前勤めていた会社には、
バースデー休暇というのがありました。
誕生月に1日有給休暇が取れるのです。
誕生日だと、土日祝にあたった場合、
有給休暇が消化できない社員が出るため、
誕生月ならいつ休暇を取ってもよい、
というルールになっていました。
ですが、その有給休暇の正体は
通常の有給休暇です。
別に、特別休暇がもらえるわけでは
ありませんでした。
逆に誕生月以外は休めない雰囲気になる等、
弊害も出ていました。
それでも社員はとても喜んでいました。
実質的には、
「いつでも取れる有給休暇」が
「誕生月しか取れない有給休暇」
になっただけなんですけどね。
あなたの会社にも、
こういった「騙しの構造」
が蔓延していないでしょうか?