■第100回 グッドウィル廃業の余波
※この記事は、
2008年8月4日に配信された
失業保険.comメルマガの
バックナンバーです。
2008年7月で、
グッドウィルが廃業となりました。
グッドウィルで登録していた労働者は、
その多くが他の派遣会社に移籍するか、
未だに再就職先が見つからない状況です。
再就職先が見つかった方も、
状況は決してよくありません。
案の定というか、
働き先に困った労働者の足元を見た
違法行為が横行しています。
事前に労働条件を示さなかったり、
雇用保険に加入させなかったり・・・
という具合です。
グッドウィルばかりが大きく報道されましたが、
このように法律を守る気がまったくない
派遣会社は後を絶ちません。
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私は日々退職に関する相談を
受けているのですが、
最近特に目につくのが
「調べてみたら雇用保険に
加入させてもらっていなかった」
というものです。
ただ、これは対処策があります。
雇用保険は2年間なら
さかのぼって加入できます。
1年以上働いていれば
最悪でも90日程度の失業保険の受給期間は
確保できます。
ですので、
もし加入していないことが判明したら、
すぐにハローワークに相談してください。
（週20時間以上の労働時間が必要等、
他にも細かい条件があります）
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中には、
「雇用保険にさかのぼって加入したら、
他の健康保険や年金も
支払わなければならなくなるよ」
とわけの分からないことを言ってくる
派遣会社もあると聞きました。
こういった発言は自らの違法行為を
ごまかそうとしているだけですので、
まともに取り合ってはいけません。
そもそも、
「他の健康保険や年金も
支払わなければならない」
のは、雇用保険は関係ありません。
会社で社会保険に加入していないのなら、
国民健康保険
国民年金
に保険料を納付することになるだけの話です。
何も支払わない、
というのは一時期は通用しても、
いずれ執拗な取り立てに遭遇しますから、
どのみちいずれかの時点で
支払うことになります。
特に、国民健康保険料の取り立ては強烈で、
ためらいなく預金や給与の差し押さえに
踏み切ってきます。
国民健康保険料を運営しているのは
各自治体ですが、
これらの組織は個人情報を
簡単に入手できますから、
こちらが秘密にしているつもりの銀行口座も、
簡単に調べられてしまいます。
金融機関は、公的権力から依頼されれば、
あっさりの口座のあるなしを回答するからです。
また、預金がない場合は、
給与差し押さえに着手してきます。
この場合、
今勤めている会社に
「給与差し押さえ通知」
が届きます。
このような通知が届いた社員は、
イコールお金に困っている、
と解釈されますので、
会社からの信用を一気に失います。
査定も低いものになる可能性が高いですし、
出世も望めなくなります。
お金を扱う仕事からは外されることも
多くなるでしょう。
このように、
国民年金保険料や国民年金保険料
の支払いを無視していると、
あとあと、大きなツケを支払うことになります。
「でも、給与差し押さえ通知は、
派遣会社に届きますよね」
「その派遣会社が、年金・健康保険に
加入するなと言ったのだから、
関係なくないですか？」
このような疑問を持たれた方は、
鋭いです。
しかし、国民健康保険料や国民年金保険料の
取り立ては、
その派遣会社を辞めて次の会社に勤めていても
続きます。
当然の話ですが、
延滞している保険料を全部支払うまで
執拗な取り立ては続くのです。
■編集後記
雇用保険に加入していなかったために
失業保険の受給をあきらめていた方は、
一度問い合わせてみることをお勧めいたします。
支払う雇用保険料は、
月収15万円ならば月900円前後です。
これで失業保険が受給できるのなら
やってみる価値はあるのではないでしょうか。