■第54回 ヘッドハンティングの落とし穴
ヘッドハンティングを
受けて新しい会社に移る。
サラリーマンなら、
結構あこがれるシチュエーション
かも知れません。
しかし、いい話ばかりではありません。
今日は、ヘッドハンティングの現実
を少しだけご紹介します。
サラリーマン時代、
私は転職を2回していますが、
自慢じゃないですが
いずれもヘッドハンティングです。
普通、「自慢じゃない」というのは
自慢するときに言う言葉ですが、
私の場合は本当に自慢になりません。
むしろ
消し去りたい過去になっています(笑)。
というのは、ヘッドハンティングにも
いい・悪いの別があって、
私はいずれも悪いヘッドハンティングに
引っかかってしまったからです。
悪いヘッドハンティングというのは
私が勝手に言っている言葉ですが、
「よく言うことを聞く、子飼いの兵隊が欲しい」
という程度の動機で声をかけられることです。
ですので、自分に声をかけてきた人間との
人間関係をよく保つことが何よりも重要です。
「自分の能力が認められた」
と思って有頂天になって入社すると、
後から恐ろしい現実を
突きつけられることになります(←私)。
なんせ、兵隊なので大した待遇ではありません。
上からは、「特別扱いはできない」と言われます。
そして、周りから要求される仕事のハードルは
高くされます。
私は、
「○○部長がじきじきにスカウトしてきたんだから
この程度できるでしょう」
という言葉を何回も言われました。
これでは、普通に入社して
期待値を下げておいたほうが
マシというものです。
もしもあなたに
ヘッドハンティングの話が来たら、
まずこう考えてください。
「自分は、この人の手足となって
働くことだけを期待されていないだろうか?」
と。
関連記事:
の4.地位特定者の解雇はしやすい?
で、ヘッドハンティングされた後の
厳しい現実について解説しています。
■ 編集後記
今回お話したヘッドハンティングは、
企業の人間が直接スカウトするケースです。
専門のヘッドハンターを通す場合は
まったく様相が変わってきます。
ヘッドハンター経由で入社してきた社員には
既存社員との結びつきがなく、
周りから先入観を持って
見られることも少ないようです。
その代わり、企業はヘッドハンターに
年収の30%といった報酬を支払いますから、
スキルそのものに対する要求は
きつくなる傾向が強いようです。
それでもヘッドハンティングで転職を狙うなら、
こっちのほうが後々面倒ごとがなくていいでしょう。
私のように「兵隊募集」の
人買いに買われてしまわないように
注意してください。
私をスカウトした人は、
今となっては部下に逃げられるのが
年中行事みたいになっていて、
いまだに人買いを続けているようですが・・・
2.Q&A
Q.先日、ヘッドハンティングと思われる
連絡を受けました。
その会社は仲介を行う会社で、
実際にスカウトしたい企業は別のようです。
転職する気はほとんどないのですが、
こういった申し出を受けると
逃げられなくなるようなことはありせんか?
あと、このような情報は
どこから漏れるのでしょうか?
少し怖いです。
A.キャリア人材をヘッドハンティングする、
転職エージェントからの連絡だと思われます。
オファーを受けた段階では、
もちろん受け入れるかどうかはあなた次第です。
よって、詳しく話を聞いてみて、
興味が持てないようであれば
断ってしまっても
全く問題ありません。
情報がどこから漏れるか?
という点について。
これは、
仕事で実績をあげていて
業界に名前が知られている、
というのがまず一つ目のパターン。
これは問題ありません。
逆に、自分の名前が全く表に出ないような
仕事をしてきている人は、
少し注意した方がよいかも知れません。
会社を辞めてもらうための
「偽装ヘッドハンティング」
である可能性があるからです。
リストラをしたい企業が、
ヘッドハンティングを装って声を掛け、
今の会社を辞めさせる。
その後、
「先方の都合で、
今回の採用の件はなかったことに・・・」
という連絡が来るパターンです。
おおっぴらに辞めさせると
不当解雇だの何だとうるさいですから、
このような手のこんだ手段を使って
社員の方から辞めると言わせる手口もあります。
しかし、今回はエージェントが
接触してきていることから、
そういった可能性はないでしょう。
(リストラ目的なら、
そんなコストはかけられません)