個人情報漏洩職員を懲戒免職 神奈川労働局
神奈川県の横浜ハローワークで、
職員が10年に渡って
個人情報を漏洩し続けていた事件。
逮捕されたハローワークの職員が、
このたび懲戒免職処分とされました。
「・・・今さら?というか、まだ職員の身分だったの?」
と驚かれる方も多いかと思います。
私も驚きました。
被告人になって裁判を受けている最中も、
まだハローワークの職員だったとは・・・
判決が確定するまでは
あくまで被告人であって、
犯罪者扱いは理不尽だ、
という見方も間違ってはいません。
しかし、
この職員は逮捕直後から
容疑を認めていて、
免罪の可能性はほぼありませんでした。
民間企業なら、
本人が容疑を否認していても
容赦なく解雇になることが多いパターンです。
「本当に罪を犯したかどうかは関係なく、
会社の名誉に傷をつけた」
「犯人かどうかは別として、
逮捕されたことで仕事に穴を空け、
会社に多大な損害を与えた」
という理屈で解雇することは当たり前にあります。
(それが良いことだとは思いませんが)
こういった民間企業に比べると、
甘々の処分と言う他ありません。
さて、この職員に要求されているのは84万円です。
一連の犯罪行為を行って
得た収入からすれば、微々たる金額です。
個人情報を漏洩することで得た利益は
数千万円単位に及ぶとされており、
本来ならこのお金も返済する必要があります。
しかし、どうやっても返済不能な金額です。
また求刑が懲役2年と短く、
執行猶予すらつく可能性もあるのですが、
数千万円を不正に得ておいて執行猶予では、
甘すぎると思うのは私だけでしょうか。
民間企業だと、
銀行員など、お金を扱う職業の人は、
「顧客のお金に手を出さないように」
という意図で、比較的、
高い給与水準になっています。
ハローワークの職員も、
直接個人情報を引き出せる権限は、
「職を失いたくない、という動機が強い」
上層部に限った方がよいと思うのですが・・・
それだと仕事が回らないのでしょうね。
今回逮捕されたハローワーク職員は、
10年勤務していたとはいえ、
立場は非正規職員でした。
ということは、給与水準も
決して高くはなかったと思われます。
このため、
個人情報を売り飛ばして報酬を得る、
という誘惑にあっさり屈した、
という面もあるでしょう。
本人が悪人なのは確かですが、
それを長年にわたって野放しにする
ハローワークのシステムも大問題です。
また、弁護士は「実害を受けた人はいない」
とおおよそ一般的には受け入れがたいことを
主張しています(仕事とはいえ・・・)。
こういう、「やったモン勝ち」の状況が放置されていると、
何か腑に落ちないものを感じます。
この事件に関する関連記事(上から順に読むと事件の経過が把握できます)
個人情報漏洩職員を懲戒免職 神奈川労働局(この記事です)
以下、産経新聞からの引用記事です。
■個人情報漏洩職員を懲戒免職 神奈川労働局
神奈川労働局は30日、
雇用保険被保険者の職歴情報を漏らし、
見返りに現金を受け取ったとして
加重収賄罪などで起訴された
横浜公共職業安定所(ハローワーク横浜)の相談員、
西沢えみ被告(47)=同罪などで公判中=
を懲戒免職処分とした。
上司らの監督責任は今後、判断するという。
労働局では責任者が
被保険者情報のアクセス記録を
毎日チェックするなどの再発防止策を取っている。
西沢被告は名古屋地裁で懲役2年、
追徴金84万円を求刑されており、
判決公判は9月13日。