失業保険が被災地で次々終了、74%再就職決まらず
東日本大震災で
特に被害が深刻だった
被災3県(岩手・宮城・福島県)で、
震災によって失業した人たちの
失業保険が順次終了しています。
東日本大震災関連の記事は、
下記でもお読みいただけます。
失業保険が切れた後、
74%の方が再就職先が決まっていない
という報道がされました。
「どんな仕事でもいいから働け」
という意見もあるようですが、
求人内容を見ると話はそう単純ではないようです。
求人が多いとはいえ、
多くは震災復興に絡んだ土木・建築で、
これらの業界で経験がない人は
募集対象外になっているのが実情ということが、
今回の報道でも指摘されています。
以下、産経新聞からの引用です。
■失業手当切れ 74%再就職決まらず
岩手、宮城、福島の3県で
東日本大震災により仕事を失った人に
特例的に延長されていた
雇用保険の失業手当をめぐり、
2月17日までに給付が切れた3510人のうち
約74%が再就職先が決まっていないことが
2日、わかった。
厚生労働省は1月半ばから4月末までに
最大1万834人の給付が終わるとみている。
厚労省によると、給付が終わった人のうち、
「就職・内定」したのは921人、
「求職活動中」が2163人、
「職業訓練受講中」が47人、
「何もしていない」が379人だった。
復興需要もあり、被災地の求人数は増加傾向で、
昨年4月には3県で計6万8739件だった
有効求人数は、
今年1月に11万1368件に倍増した。
ただ、求人が多い土木・建設、福祉関係の仕事は
資格や経験が必要なケースが多く、
被災者の希望と求人が合わない
「ミスマッチ」が深刻になっている。
(引用ここまで)
復興事業に伴って求人数が増えた形ですが、
未経験者を一から教育している余裕はない、
というよくある理由が述べられています。
しかし、
未経験者をどこも拒否しますが、
誰でも最初は未経験者なのですが・・・
面倒な教育は放棄して、
とにかく即戦力だけが欲しい、
という雇う側の
「虫の良い本音」
が透けて見えるようです。
なお、2,016年現在、
こうした復興事業も、
規模を縮小するところが増えています。
となると、
またもや職がない人たちが
世の中にあふれるわけです。
こうして見ると、
一時的な需要を見越して採用して、
用がなくなったらまた雇い止めする、
という就業環境であることが分かります。
安定雇用とはほど遠いのです。
このように、
東日本大震災の復興事業においても、
よくある雇用の問題が発生しています。