失業保険の不正受給は、詐欺罪になるのか?

1.失業保険の不正受給は、詐欺罪になるのか?

失業保険を不正受給すると、

詐欺罪になるのでしょうか?

 

つまり、逮捕されてしまったり、

前科がついたりするのでしょうか?

失業保険不正受給
失業保険の不正受給、でき心で・・・

悪質さによって結論は変わってきますが、

一般的には

「不正受給であっても、

詐欺罪で刑法上の責任を問われることは

滅多にない」

というのが回答になります。

 

なぜか。

 

詐欺罪というのは、

「騙す意思があった」

ことを捕まえた側が立証しなければなりません。

 

しかし、この立証が非常に難しいのです。

 

騙すつもりがあったか無かったか

というのは心の中の問題ですので、

本人以外には真相は分からない

というのが正直なところです。

 

個人の不正受給の典型的パターンである

「再就職したのに、

ハローワークに申告せず、

失業保険の受給を続けた」

「アルバイトをしたのに、

ハローワークに黙って失業保険をもらった」

という場合、

明確に騙す意思があった

と立証するのは難しいです。

 

ちなみに、詐欺罪というのは

100件警察に話が持ち込まれて

起訴にまで至るのは2-3件だそうです。

 

そのぐらい、立証が難しい犯罪といえます。

 

このため、不正受給がバレても、

警察沙汰にまで発展することは稀です。

 

ただし、「失業保険の3倍返し」

になる可能性は十分にあります。

不正受給3倍返し
不正受給3倍返しは、失業中の身にはきついです

詐欺罪にならないというだけで、

ツケは払うはめになりますから、

「不正受給をやってバレてもデメリットはない・・・」

などと勘違いすると酷い目に遭います。

 

失業保険の不正受給で逮捕に至るのは、

組織的にダミー会社を用意して行っていたなど、

「どこから見ても計画的」

である場合です。

 

ここまでやってしまうと、

さすがに「ついうっかり」

という可能性は0になります。

 

逮捕やむなし、詐欺罪で前科やむなしです。


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2.不正受給がバレても、大丈夫な場合

 

失業保険の不正受給は、

多くの方がやっています。

 

「いや、失業保険の不正受給を

実行できる度胸のある人は、

そんなに多くないでしょう?」

そう思われたかも知れません。

 

しかし、多いのです。

 

なぜかというと、

「うっかり不正受給に該当する」

人が多いからです。

不正受給
なんか、ハロワから着信あったんだけど

典型的なパターンは、再就職です。

 

再就職したら、

もうハローワークには用がないと

何も報告しない人がいます。

 

すると、ハローワークは

「その人が再就職した」

という情報をつかむことはできません。

 

しかし一方で、

再就職先の会社では

雇用保険に加入します。

 

不正受給は、ここで発覚します。

 

雇用保険に加入しているのに、

失業保険を受け取った・・・

ことが、ハローワークに分かるのです。

 

この場合、

失業保険の不正受給として、

ハローワークから呼び出しが来ます。

 

しかし、多くの場合では

悪意があったわけではなく、

「手続きが必要なことを知らなかった」

だけですので、

悪質と判断されることはありません。

 

この場合は、

今までにもらった失業保険の返還を

求められることもありませんし、

3倍返しを命じられることもありません。

 

単純に、

「再就職した日以降にもらった失業保険」

の返還を命じられるだけです。

 

さすがに再就職日以降に受給した失業保険は、

もらえる根拠がないので返さなければなりません。

 

失業保険の不正受給といっても、

自ら手を染めるのではなく、

「ついうっかり」

というケースがあることをご理解ください。

 

そのような場合は、

鬼のような罰則を科される

ということはありません。

 

逆にいうと、

「分かっていて不正受給した」

ことが明らかな場合は、

重い処分をくらうことになります。