失業保険の受給資格
失業保険Q&Aサイトぶった切り。
今回は、Yahoo!知恵袋に投稿された質問です。
質問:
失業保険の受給資格
雇用保険に入って6ヶ月以上でしたか?
最近は条件が変わって
雇用保険に入って
一年以上と聞いたんですが本当ですか?
この質問に対する回答は、
以下のような主旨となっています。
1.離職日以前1年の間に
雇用保険に6ヶ月以上加入していれば
失業保険の受給資格がある
2.賃金支払いの基礎となった日が
14日以上ある日を1ヶ月として計算
3.1ヶ月未満の月は、
その期間が15日以上あり、
賃金支払いの基礎となった日が
14日以上ある場合は
2分の1ヶ月として計算
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法改正以前であれば、
正しい答えです。
しかし、質問されている方は
「最近は条件が変わって・・・」
と書かれているように、
この質問がされたのは法改正後です。
そして、回答されている方は
この部分を全く考慮せず、
古い知識をそのまま使っています。
法改正後にされた質問に、
法改正前の知識で回答しているため、
結果的に何の役にも立たない
回答になってしまっています。
2016年9月現在の法律で書き直すと、
下記のようになります。
1.離職日以前1年の間に
雇用保険に6ヶ月以上加入していれば
失業保険の受給資格がある
(会社都合退職の場合)
離職日以前2年の間に
雇用保険に12ヶ月以上加入していれば
失業保険の受給資格がある
(自己都合退職の場合)
一昔前までは、
自己都合退職、会社都合退職、
倒産、解雇など、
退職理由を問わず、
半年の雇用保険加入期間があれば
失業保険が出ていました。
しかし、
「半年働いて自分から会社を辞め、
3ヶ月失業保険をもらう」
という人が多くなったため、
対策をされてしまいました。
この結果、自己都合退職の場合は、
1年以上の雇用保険加入期間がなければ、
失業保険はもらえないことに改められました。
この変更がされてから
結構な年月が経過しています。
しかし、
普段は気にすることがない分野の知識なため、
未だに
「半年勤めれば(自己都合退職でも)
失業保険がもらえる」
という古い知識のままで覚えている人が
少なくありません。
多くの方は滅多に会社を辞めませんから、
それに関連する知識は古いままになっている
ことが多いのです。
2.賃金支払いの基礎となった日が
11日以上ある日を1ヶ月として計算
14日の制限が、11日に変更されています。
雇用保険加入期間に
カウントできる基準が緩くなっていますから、
失業保険をもらう側にとっては、
有利な方向の法改正といえます。
3.この規程は削除されました
もし、質問者の方が、
回答の1.
【離職日以前1年の間に
雇用保険に6ヶ月以上加入していれば
失業保険の受給資格がある】
を信じてしまい、
入社後半年に自己都合退職したら
どうなるでしょうか?
もらえると宛てにしていた
失業保険が1円ももらえないことが
退職後に判明することになります。
もし、その分をカバーする額の貯金が
ない場合・・・
退職後の生活は、
ごく短期間で破綻することになります。
適当な知識で書かれた回答を
信用すると、
本当にこういう事態に巻き込まれるのです。
今回は回答の内容が
「適当」なのではなく、
「古い」のが原因ですが、
悲惨な結果を招く点は同じです。
このように、インターネット上のQ&Aサイトは
うっかり信じると深刻な事態に陥るような
回答が珍しくありません。