1.失業保険をもらっている間に入院したらどうなる?
失業保険の受給中に、
病気や怪我などで入院した場合のお話しです。
入院しているぐらいですから、
当然就職活動をすることはできません。
この場合、失業保険はもらえるのでしょうか?
残念ながら、
この場合は失業保険をもらうことはできません。
失業保険の受給は、
退院して、就職活動を再開してからになります。
しかし、入院が長期に及ぶ場合はどうなるのでしょうか?
失業保険には、
「もらえるのは、退職後1年間」という原則があります。
入院中にこの1年が過ぎてしまい、
失業保険の受給資格を失うのは理不尽すぎます。
もちろん、救済策はきちんとあります。
ハローワークで
「体調不良で、再就職活動ができない」
ことを申告すれば、
失業保険の受給を延長することができるのです。
延長は、1年単位です。
延長は重複でき、最大で3年延長が可能です。
元の1年とあわせて最大4年ということになります。
なお、延長申請は
毎年行う必要があるので気をつけてください。
「何回も手続きするのは面倒なので、
まとめて3年延長したいです」
といっても受け付けてもらえません。
うまくこの制度を使えば、
「もらえるはずのものがもらえなかった」
という事態を避けることができます。
しかし、この制度はほとんど知られていません。
そのまま
「失業保険が受給可能な期間」
が過ぎてしまって
大損をしている人は後を絶ちません。
なかなか気が回る部分ではありませんが、
万が一失業保険をもらっている最中に
入院することになった場合、
今回のお話しを思い出してみてください。
少なくとも、
「もらえるはずのものがもらえなかった」
という落とし穴にはまることだけは
避けることができます。
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2.30日未満の入院の場合は別ルール
1.でお話した失業保険の延長ルールは、
「30日以上、就職活動ができない状況」
に限定されます。
しかし、現在では、1ヶ月以上入院する、
という人は減少傾向にあります。
再就職を考えている、
生産人口年齢の方であればなおさらです。
30日未満の入院の場合、
単なる「失業保険のもらいそこない」
になってしまうのでしょうか?
いえ。きちんと救済策はあります。
働けない期間が15日未満であれば、
そのまま失業保険が支給されるからです。
つまり、入院していない場合も入院した場合も、
何も変わらず、手続きも必要ありません。
少し取り扱いが変わってくるのが、
働けない期間=15日以上~30日未満
の場合です。
この場合、失業保険はもらえません。
「では、無収入に甘んじなければなりませんか?」
いえ。
失業保険は確かにもらえないのですが、
傷病手当がもらえます。
この傷病手当は、失業保険と同額で、
早い話が、全く損はありません。
ただ、もらうためには
「医師の診断書(のようなもの)」が必要です。
正確にいうと、ハローワークでもらうしおりの巻末に、
医師に記入してもらう書類がありますので、
その書類に記入してもらいます。
これがないと、
「就労不能状態であった」
ことの証明ができませんので、
必ず記入してもらう必要があります。
入院中に失業認定日がきてしまう場合は、
前もってハローワークの給付窓口に
連絡しておいてください。
「無断で失業認定に来なかった」
とハローワークから判断されると、
その次の失業認定日に出頭しても、
失業保険がもらえなくなる可能性が高いです。
なんというか、ただでさえ馴染みがない制度ですが、
さらに細かいルールがあって面倒ですね。
とはいえ、きちんとルールを守って動かないと、
「もらえると思っていた失業保険が出ない」
という事態になりかねません。
面倒なことは確かですが、
何も細かいルールを覚えておく必要はありません。
不幸にも失業保険受給中に
入院するはめになった場合は、
今回お話したことを
「何か救済策あったよな」
程度でいいので思い出してください。
※ちなみにこの「傷病手当」
健康保険からもらえる「傷病手当金」
とは別物です。
名前はほとんど同じなんですが。
本当に、ややこしいですね。