■ 第124回 失業率8.8%
(2017年2月26日更新)
先日発表された失業率ですが、
5.4%と過去最悪に迫る数値でした。
(過去最悪は5.5%)
しかし、
この失業率、実際は8.8%あるのではないか?
という話です。
従業員を解雇せずに雇い続けると、
国から助成金が出ます。
「仕事がないが、解雇は避けたい」
という場合に国が給与を穴埋めしてくれる
とイメージしていただくととよいでしょう。
実にこの申請者が
238万人に及んでいることが判明したからです。
この238万人を失業者に入れると、
失業率が9%近くになるという計算ですね。
しかし、現在は助成金で食い止めている解雇ですが、
期限が切れたらどうなるでしょうか?
解雇される人たちが、
短期間に大量に出てくる計算になります。
職を求める人が多くなれば、
就職での競争も激化します。
転職や再就職を考えられている方は、
「助成金が切れて競争相手が増える」
前に転職先を決められた方がよさそうです。
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■ 編集後記
この助成金、
正式名称は「雇用調整助成金」です。
3年間で最大300日分が支給されます。
この制度、利用者が一気に増えたのは、
ごく最近です。
よって、顕在化してくるのは
もっとずっと先のことになります。
ただ、去年6月の対象者が1700人強に対して、
今年6月の対象者は238万人。
期限が切れ、解雇となった方が
転職市場に出て来ると、
転職での倍率は
極端に跳ね上がることは容易に想像できます。
※2017年2月26日追記:
この後、有効求人倍率が改善したこともあり、
無茶なリストラは一段落しました。
人口ボリュームが多い団塊世代が
順次、定年退職していったこともあり、
就職事情は劇的に改善しています。
以前は「仕事がない」という言葉を
よく聞きましたが、
今では人手不足というフレーズが
報道を賑わせています。
とはいえ、
相変わらず景気回復の実感はわかず。
単純に、定年退職して労働人口から
抜けた人が多いから、補充が必要・・・
というだけの話ではあります。
■ 第125回 住所をなくさない方法
会社の寮などに住み込んで働いていると、
退職した場合に深刻な問題に直面します。
退職と同時に寮からも出ていかなければならないため、
住居を失ってしまうのです。
ほとんどの会社は、
「住所がない人」を採用対象にはしません。
このため、再就職活動の初めから、
非常に重いハンデを背負うことになります。
「派遣切り」にあった方の再就職が
なかなか進まないのは、
こういった点も一因になっています。
しかし、10月からスタートする
「住宅手当制度」で多少問題は緩和しそうです。
これは、2年以内に会社を辞めた人に
最大6カ月間、家賃を補助する制度です。
上限はありますが、
家賃にあたる金額を直接家主に振り込んでもらえます。
上限額は「東京都内・独身」で月5万4千円。
都内だと、家賃全額をまかなうには
少し足りないかも知れません。
しかし、それでも家賃を全額負担する場合とは
比べものになりません。
「仕事を辞める」=
今の家を出て行く必要がある方は
意外と多いものです。
「住み込みの仕事をしている人など
少数でしょ?」
と考えるのは間違っています。
世の中には、社宅に住んでいる人や、
転勤で借り上げ住宅に住んでいる人も
大勢おられます。
そうした方々も、
退職したら退去を求められるのは同じです。
該当される方は、
この制度を覚えておいて損はないと思います。
■ 編集後記
この住宅手当制度ですが、
受給には条件があります。
・月1回のハローワークでの職業相談
・月2回の地方自治体の担当者の面接
さすがに、何もしなくていい、
というわけにはいきません。