1.定年退職の失業保険
定年退職した場合は、
選択肢がふたつあります。
ひとつは、
再就職する場合。
もうひとつは、
そのままリタイヤして働かない場合です。
それぞれの場合で、
当然ながら取るべき手続きは異なってきます。
定年退職について、基本的な情報は、別の記事
にまとめてあります。
追加情報が必要な方は、こちらもご覧ください。
定年後も再就職するつもりであれば、
雇用保険の手続きを行う必要があります。
必要書類は、「雇用保険被保険者証」です。
雇用保険の加入手続きを行なった後に、
社員に返還する場合と、会社で保管する場合があります。
返還されているはずなのに手元に見当たらない・・・
という場合は、紛失した可能性が高いです。
この場合は、再発行手続きを
あらかじめ行っておく必要があります。
申請は会社を通じて行いますので、
相談先は勤務先の人事・社会保険担当者となります。
次に必要になるのが離職票です。
これは退職後10日以内に、
会社から送付されると雇用保険法で決められています。
しかし、この送付期間をまともに守れていない会社は多いです。
期限を過ぎても手元に届かない場合は、
担当者に催促してみてください。
離職票が送付されてきたら、
住所地を管轄するハローワークに出向き、
求職者登録を行います。
求職者登録後、7日の待期期間が終了したら、
指定日時の受給説明会に出てください。
求職の中し込みから約4週間後に、
第1回目の失業認定目が到来します。
自己都合退職と異なり、
定年退職の場合は3ヶ月の受給制限期間はありません。
指定された日時に失業の認定を受けると、
2日~1週間前後で失業保険が指定口座に入金されます。
その後は4週間おきに失業の認定を受け、
給付日数がなくなるまで失業保険を受給するという、
同じローテーションの繰り返しとなります。
また、65歳以上の場合、
雇用保険の取り扱いが異なってきます。
一般被保険者ではなく、
高年齢継続被保険者
という制度を元に雇用保険が取り扱われます。
この場合、4週間に1度、失業認定を受けて失業保険をもらう・・・
という手続きはありません。
高年齢求職者給付金という一時金がまとめて支給されて、
それで給付は終了です。
2.定年退職の年金手続き
定年退職の場合の年金手続き
について解説します。
まず第一のチェックポイントは、
年金手帳がどこにあるか?です。
「そんなの、自分で持っているに
決まっているのではないですか?」
と考える人が多いと思いますが、
実はそうではありません。
入社時厚生年金の加入手続きを行なった際、
そのまま会社で保管している場合があるからです。
勤めている間は意識にのぼることもない類いの書類ですから、
なくても気づきません。
手元にないのであれば、
会社に保管されている可能性が高いですから、人事の担当者に確認してみてください。
もし、自分に手渡されているはずなのに見つからないようであれば、
紛失したと考える他ありません。
会社に依頼して、再発行手続きを行いましょう。
さて、定年退職の場合は、
「年金保険料を払う」よりも「年金を受給する」
ことが気になるかと思います。
今の年齢で年金がもらえるかどうか、
後から受給し始めた方が毎月の受給額が増えて得なのではないか、
受給開始年齢に達しているとすれば、毎月何円もらえるのか、
など気になる点は尽きないと思います。
定年退職後に再就職を考えていない場合は、
入ってくる収入は年金だけになりますから
色々と不安や気になる点が出てくるのは仕方ないところです。
こういった疑問点や不安は、人によって状況が異なりますから
自分で情報収集して自己判断するよりも、
専門の人に聞いてしまった方が早くて正確です。
年金事務所で相談されるとよいでしょう。
退職後に年金を受給される場合。
年金が支給される年齢に達していれば、
勤めていた会社を管轄する年金事務所に出向き、
年金の請求手続きを行なってください。
手続完了から、
おおよそ3~5カ月後に年金支給が開始となります。
気をつけるべきポイントがあります。
60歳未満の配偶者を扶養している場合は、
配偶者の国民年金加入の手続きが必要になってきます。
気をつけるポイントが、もうひとつ。
会社が厚生年金基金に加入している場合、
厚生年金の年金手帳とは別に厚生年金『基金』
加入員証という書類が交付されています。
これも年金手帳と同じく、
社員に返す場合と、会社で預かっている場合があります。
手元にあるか確認して、
なければ人事の担当者に相談してみてください。
厚生年金基金に関しては、
窓口は年金事務所ではありません。
退職後に、
加入している厚生年金基金から書類一式が送られてきます。
その書類にしたがって受給手続きを行ないましょう。
このように一口に年金といっても、
複数の窓口で手続きをする必要があり、
それが少し面倒な点ではあります。
が、退職後の大切な収入ですから、
面倒くさがらずにすぐに手続きしておきましょう。