■第47回 家で仕事しても失業保険がもらえる?
先月末、政府が
「テレワーク」人口を倍増させる計画
であると報道されました。
テレワークとは、通信技術を使って
オフィス外で働く勤務スタイルです。
この制度が活用されれば、
在宅勤務で失業しても、
失業保険がもらえるケースが
一気に増えるとされています。
少子高齢化・団塊世代の定年退職で
労働人口が減っていく
→ オフィスに勤務できない労働力を掘り起こそう
というのが目的です。
これだけ聞くといい話ですが・・・
テレワークは、以下のような問題が指摘されています。
・労働時間の算定が困難
・経費の算定が困難
私が悪徳経営者だったら・・・
・4時間勤務の契約で、
12時間分の仕事を押し付けます。
・経費はあれこれ理由をつけて限界まで却下します。
とまあ、こういう抜け道もあります。
「在宅ワークで収入を!」
というフレーズで労働者を呼び込み、
劣悪な状況で働かせる・・・
政府がそういうことを
意図しているわけではないでしょうが、
脱法行為は容易になります。
そして脱法行為の誘惑がある以上、
その誘惑に負ける経営者は必ず出てきます。
表面上だけ見て
「よさそうだ」と思うのは危険だと思います。
異常な分量の仕事を押し付けられ、
給料は半日分では泣くに泣けません。
今後、在宅勤務を考えられている方は
頭の片隅に置いておいてください。
関連記事:
■編集後記
今回話題にした在宅勤務ですが、
急速な広がりを見せています。
松下電器は、4月から3万人の職員を対象に
在宅勤務制度を導入しています。
総務省は5月から全職員(2千人)を
在宅勤務可能な状態にしました。
望む望まざるに関わらず、
テレワークの拡大は避けることができないようです。
とすれば、制度変革の中でいかに
「貧乏くじ」を引いてしまわないか、
考えること。
それが、私たちにできる最大の防御になります。
よく制度の良し悪しを論じたがる人がいますが、
制度を変えられる立場にいないのであれば、
それは無駄な時間です。
趣味ならいいですが、
仕事を持っている人の多くは
そんなにヒマではないはずです。
2.Q&A
Q.アプリ開発をしています。
勤務している会社で、
在宅勤務を導入することになりました。
正確には、営業所が閉鎖になるため、
残った私たちは
在宅勤務しか選択肢がありません。
社長は一応、
私たちがいきなり職を失わないよう、
配慮して解雇ではなく
継続勤務にしてくれたようです。
相談ですが、
労働時間の管理についてです。
予定では、「みなし労働時間」
で働くことになっています。
8時間のみなし労働時間になる予定です。
とはいえ、今までの仕事は、
とても8時間で終わる仕事量ではありません。
労働時間が長いのはIT業界の常なので
仕方ないと納得しています。
とはいえ、
体よく、サービス残業を合法的にやるように
追い込まれているような気がしてなりません。
このようなやり口は、適法なのでしょうか?
A.在宅で「みなし労働」が成立するには、
下記のような条件を満たす必要があります。
1.仕事が、私生活を送る自宅で行われること。
2.パソコンなどの仕事で用いられる道具が、会社の指示により常に通信可能な状態におくこととされていないこと。
3.仕事について、会社の具体的指示が随時行われていないこと
ここで引っかかりやすいのは2.です。
会社から支給されたパソコンが常に通信可能な状態におかれている場合、
「みなし労働時間」は成立しません。
よって、今回のケースでは
「みなし労働」
は成立しないと思われます。