少しだけ手取りが増えるお話 失業保険.comメルマガ

第42回 少しだけ手取りが増えるお話

最近、

定率減税の廃止だの

社会保険料の値上げだの、

庶民の負担が増える話ばかりです。

 

そんな昨今、

珍しくサラリーマンの負担が下がった

というニュースです。

少しだけ手取りが増えた
少しだけ手取りが増えた

4月19日に、雇用保険料が安くなりました。

 

4月1日から適用されています。

 

なので、4月(の労働)分の給料からは

雇用保険料が下がっいるはずです。

 

さて、重要なのはいくら値下げされたのか、

という部分です。

 

これは・・・給与の1.6%→1.2%です。

 

0.4%です。20万円の給料なら800円。

 

やっぱり、値下げするときは

幅が小さいですね・・・

 

しかも、雇用保険料は

会社が負担している金額が

だいたい半分です。

 

上の例でいうと増える手取りは400円です。

 

言われないと気付かない方が

大部分ではないでしょうか。

 

とはいえ、勤め人をしている限りは

ずっと支払うお金です。

 

月々数百円とはいえ、

何年も積みあがれば

ちょっとした金額になります。

 

問題は、この改正がドタバタと行われたため、

知らない会社も多いということです。

 

一応国から通達が来ますが、

小さな会社だと

読みもしない担当者はざらにいます。

雇用保険料変更のお知らせ・・・はて?
雇用保険料変更のお知らせ・・・はて?そんな書類来てたかな?

数ヶ月前の給与明細が手元に残っている方は、

4月分以降の給与明細と比べてみてください。

 

給料に占める

雇用保険料の割合が下がっていなければ、

会社は対応しきれていません。

 


関連記事:

雇用保険料は、2013年度も1%で据え置き

雇用保険料、値上げ


 

Q&A

Q.転職した会社で、社会保険に入れません。

 

最近仕事を変えたのですが、

社会保険に加入させてもらえません。

 

個人でそれぞれ加入してくれ、ということです。

 

求人していた条件には、

社会保険完備とあったはずなのですが、

先輩も当たり前のように、

個人で社会保険に加入しています。

 

一度、上司にかけあってみたところ、

「会社と君との間には、雇用関係はないから」

「個人事業主に委託している扱い」

なのだそうです。

 

とはいえ、

働き方は一般社員と何ら変わることがなく、

何か言いくるめられている感が強いです。

 

このような労働条件は、

受け入れなければ仕方ないものでしょうか?

 

A.ひと言で結論を言うと、完全に違法です。

 

会社側の主張は、

「個人事業主なのだから、

社会保険に加入させる義務はない」

ですね。

個人事業主=社会保険に加入させる義務なし
個人事業主=社会保険に加入させる義務なし・・・それが本当に個人事業主だった場合ですが

これは、確かに成り立ちます。

 

しかし、この理屈が成立するのは、

あくまで働き方が

「個人事業主」に対する

「業務委託契約」

に該当する場合だけです。

 

簡単にいうと、下記の条件を

「全部」

満たしている必要があります。

 

・仕事の結果にのみ責任がある

・仕事の進め方や、労働時間につき、

依頼主の指示を受けない

 

つまり、

「下請けに仕事をやらせたら上司が怒る」

「仕事の段取りを自由に変更したらダメ」

「自分以外の誰かに仕事を代行させたらダメ」

という職場なら、それは

「個人事業主」への「業務委託契約」

は成立していません。

 

常識的に考えれば、

このような会社は

ほぼ存在しません。

 

よって、

転職された会社は、

残念ながら

「社会保険料の節約」

を目的にデタラメを言っています。

 

会社と戦うのも手ですが、

そのような体質の会社は、

改善が見込めることはまれです。

 

転職したばかりなのですから、

早々に見切りをつけられるのが得策です。

 

なお、ひとつ補足しておくと

「求人募集」と「実際の労働条件」

の間にも著しい食い違いが見られます。

 

これも違法状態ですので、

証拠をおさえておくと

話が有利に進みます。

 

具体的が使いどころとしては、

「辞めたら損害賠償するぞ!」

などという会社の脅しに対する

カウンターなど、です。

 

社員が辞めようとすると

妙な脅しをかけてくる会社は、

残念ながらまだまだ多いのが現実です。

 

そのような会社に脅されて

言いなりに働くことのないよう、

対抗手段はできる限り

集めておきたいところです。

 

■ 編集後記

今回の保険料値下げですが、

給与に反映されていないからといって

騒ぐとにらまれます。

 

理不尽な話ですが、

会社に意見をしただけで

社長の覚えが悪くなった人は沢山います。

こういう場合は、

お金にうるさそうな人に

それとなく教えてあげるのが一番です。

 

後は勝手にその人が騒いで

会社のミスを指摘してくれるでしょう。

 

一人に適用したら

全員に適用するしかない分野なので、

一人が動けば十分です。

 

わざわざあなたがリスクを負う必要はありません。