１．就業規則って、何でしょうか？
以前の記事で、
「辞めるとき、
どのくらい前に会社に言わなければならないかは、
就業規則に書いてある」
とお話しました。
法律上はまた別の話で、
就業規則に従う必要はありません。
詳しくは別項目、
を参照されてください。
しかし、たまに
「就業規則って何ですか？」
「そんなもの見たことがありません」
と聞かれることがあります。
就業規則というのは、職場でのルールブックのようなものです。
「何時から何時間で働くか」
「休みはいつか」
「転勤はあるのか」
「こういうことをすると始末書もの」
といったことが書いてあります。
この就業規則、
大きな会社にしか勤めたことがない人は
あるのが当たり前だと思うでしょう。
しかし、社長が一代で作り上げたような企業だと、
「就業規則を見せてもらえない」
などというまるで別世界のよう状態になっていることが珍しくありません。
会社は就業規則を社員に渡すか、
いつでも閲覧できる状態にしておくことが義務づけられていますので、
就業規則を見せてもらえない、
というのはその時点で完全に違法です。
ただ、発覚しにくいこともあり、
まだまだ横行している職場は多いです。
私も、結構な頻度で「就業規則を見せてもらえません」
という相談をいただきます。
社員が10人に満たない会社は
就業規則を作る義務はありません。
しかし、それ以上の社員がいる会社なら、
就業規則が閲覧できないというのは異常事態なのです。
では、どう対処したらよいのでしょうか？
これについては、次回。
２．Ｑ＆Ａ
Ｑ．就業規則という書面は、職場にあります。
しかし、仕事中にゆっくり読むこともできない雰囲気です。
仕事をさぼっているように思われても嫌なので、
「就業規則をコピーして持ち帰りたい」
と上司に伝えました。
すると、ダメだと言われてしまいました。
就業規則はありますし、見せてももらえます。
しかし、内容をきちんと把握するためにコピーして
持ち帰ろうとするのは何かの規則違反になるのでしょうか？
どうも、会社が就業規則を見せたくないような意図を
持っているような気がして納得いきません。
Ａ．会社は、就業規則の内容を各社員に周知徹底しなければなりません。
このため、職場に就業規則を備え付け、
社員誰もが閲覧できる状態にしておくことが義務づけられています。
社員に手渡す形式でもいいのですが、
この形式をとっている会社はごく少数です。
さて、この就業規則をコピーして持ち帰ることは、
認められるのでしょうか？
これは、明確には定められていません。
何かしら、就業規則に会社の機密事項に関わる内容が関連していたら、
持ち出すことを制限したくなるのも、一応スジは通っています。
こっそりコピーして持ち出した場合、
後から無用なトラブルを抱え込む可能性もありますので、
できれば避けたいところです。
正攻法でいくことを考えましょう。
勤務時間中に堂々と読むことを上司に伝え、
就業規則を職場で閲覧するというのが
もっとも無難です。
上司は就業規則を確認する社員が出ると
「会社を告発する気か？」
などと警戒することが多いです。
ですので、
安心させる言い訳を用意しておきましょう。
少し不謹慎ですが、
例えば
「祖父が亡くなりそうなので、そのときに
慶弔休暇が何日取れるのか調べたい」
といった具合です。
もちろん、本当に調べたいことを伝える必要はありません。