年齢制限が・・・ 失業保険.comメルマガ

■第62回 年齢制限が・・・

10月1日から、

改正雇用保険法が施行されました。

 

それに伴い、

これから転職活動を行う方が

気をつけておきたいポイントがあります。

 

10月からは、

「求人条件の年齢制限」

が原則禁止されたことです。

求人 年齢差別禁止
求人での年齢差別禁止!は一見いいことのように思えますが・・・

「それはいいことなのでは?」

と思われるかも知れませんが、

そうとは限りません。

 

「求人情報では年齢制限をしていなくても、

選考で一定年齢以上は足切りする」

という会社を

事前に見抜くことが

難しくなってしまったからです。

 

以前から、

求人条件で男女を指定して募集することは

禁じられていました。

 

しかし実際には、

「男性だけ」「女性だけ」

という職種はいくらでもあります。

 

女性主体の職種に、

男性が応募しても

門前払いになることが多いでしょう。

 

要は、法律で性別や年齢による差別が

禁止されても、採用の現場が

「法律に合わせて採用基準を変える」

などということは期待薄なのです。

 

しかし、

転職活動をやる側の立場に立つと、

これは非常にやっかいです。

 

年齢制限が明記してあれば、

応募して勝算があるかどうかが

事前にある程度メドがつきます。

 

今後はそういった

「採用の目がありそうな企業」

を見抜くのが難しくなります。

求人広告 年齢制限
求人広告の年齢制限にひっかからないか悩む

法で規制しても抜け道だらけだと、

状況はかえって悪化する。

 

そうしたことを思い知らされる事例です。


関連記事:

応募するだけ無駄な求人

就職活動で使える媒体


■編集後記

私が販売している退職マニュアルですが、

10月1日からの改正雇用保険法に

対応させました。

 

今回の法改正により、

ネットや退職本の情報

(法改正以前の内容を

前提に書かれている)

を鵜呑みにすると

危険なケースが出てきました。

 

下手をすると、もらえると思っていた失業保険が

1円ももらえなくなることもあります。

 

そういう悲劇を回避するために

最新の情報を反映させています。

 

だからといって、

別に私のマニュアルを買ってください

という話ではありません。

 

ただ、サイトで情報を探す場合や、

他のマニュアルを買われる場合も、

最新の法改正に対応しているかどうかだけは

最低限確認されたほうが安全です。

 

Q&A

Q.求人で、年齢制限が禁じられた、

とはいえ、年齢での足切りは、

依然として残っていると思います。

 

しかし、法律で○○歳まで、

という書き方が禁止されたせいで、

自分が応募してもいいかどうか、

判別がつかなくなってしまいました。

 

現在、転職できる節目といわれる

35歳をすでに過ぎており、

年齢で即切られるような企業に

応募している余裕はありません。

 

年齢により望みがない企業を見分ける、

良い方法はないものでしょうか?

いきなり年齢で不採用
いきなり年齢で不採用。初めから求人に書いておけよ・・・と言いたいところですが。

A.現在は、

求人で年齢制限を行うことは

禁じられています。

 

だからといって、

何歳でも採用の可能性がある・・・

というのは、

さすがにポジティブ思考過ぎます。

 

書かれているように、

実際には、表だって出せなくなっただけで、

年齢による転職希望者の足切りは

厳然としてなくなっていません。

 

しかし、

企業は求人広告に本音を

ちりばめています。

 

どんな人材に来て欲しいか、

ということを

キャッチフレーズなどを介して

あちこちに書いているのです。

 

例えば、

「20代の若手が大活躍中です!」

というキャッチフレーズが

求人広告に添えられてた場合

を考えてみましょう。

 

この場合、キャリアは短くても

年齢が若い人を求めている、

ということが読み取れます。

 

求人広告に年齢制限が

書いていないから・・・

といって、

こうした会社に中高年が応募しても、

書類選考で落とされてしまう可能性が

高いと言わざるを得ません。

 

何か飛び抜けたスキルを持っていれば、

年齢制限を超えていても採用される、

という意見もあります。

 

しかし、書類選考を行うのは

人事担当の

下っ端社員であることが多いです。

 

こうした下っ端社員の仕事は、

「(公にしていない)応募資格を満たしているかどうか?」

と機械的に判定して、

応募書類を振り分けていくことです。

 

いわば流れ作業的に

仕分けていくだけですから、

「年齢を見た時点で」

その下に書いてある【すごいスキル】

は目を通されることも亡く、

不合格行き、ということは十分あり得ます。

 

年齢制限は相変わらず存在しますが、

企業は欲しい年齢層を求人広告にちりばめて、

暗にメッセージを送ってきています。

 

こうしたメッセージを読み取るのが、

無駄な履歴書を書かずに済むコツです。