当初の対象50万人を検討 パート加入拡大で政府 -失業保険ニュース

1.当初の対象50万人を検討

何回かお伝えしてきました

パートなど非正規雇用労働者の

厚生年金・健康保険加入の対象者拡大ですが、

第一弾の導入に向けてどんどん話が進んでいます。


この件について関連記事は下記の通り。

パートが健康保険組合に加入すると、企業は5,400億円損をする

非正規労働者へ適用拡大、経済界反発で慎重論

厚生年金:適用拡大「従業員501人以上、週20時間以上」 目標遠く


対応が遅い政府が

この件についてはやたらと話を進めるのが

早い印象ですね。

 

「非正規雇用でも厚生年金・

健康保険に加入できる」

という点ばかりが強調されていますが、

「扶養に入れる人の範囲が一気に狭くなる」

ことはほとんど問題視されていません。

扶養
扶養のルールは、意外とややこしい

実際に導入されてから、

不満の声が大量に出てくるのでは?

と個人的には懸念しています。

 

政府としては、

・社会保障の原資をあちこちからかき集める

・社会保障で支払う額を削減する

ことが緊急課題ですので、

そんなことは分かっていて触れていないのでしょうが。

 

以下は、東京新聞からの引用記事です。

政府は7日、

パートなど非正規労働者の

厚生年金、健康保険への加入拡大について、

第1段階の対象者を約50万人とする方向で検討に入った。

 

1001人以上の企業で働く人を対象とする。

基本的な対象者を

(1)週労働時間20時間以上

(2)雇用期間1年以上

(3)年収80万円以上

―としたい考え。

段階的に対象企業を増やしたいとしている。

 

ただ、民主党内に、

第1段階の対象者を拡大すべきだ

との意見がある一方で、

経済界には

対象者の年収条件を引き上げるなど

範囲を狭めるべきだとの意見もあり、

対象企業や対象者の条件について

今後調整する。

 

2.Q&A

Q.パート社員として働いています。

今回、上司から

「社会保険に加入する義務ができた」

と言われました。

 

年収は130万円には全く届かないのですが、

それでも社会保険に加入しなければ

ならないのでしょうか?

社会保険加入
年収が少ないのに、社会保険加入なんて・・・

現在、健康保険や年金などは

夫の扶養に入っています。

 

これも、抜けなければならなのでしょうか?

社会保険料を自分で支払うのに加え、

所得税まで支払うとなると

手取りがガクンと減ってしまうので、

困っています。

 

A.毎週の労働時間が30時間を超えたため、

社会保険への加入義務が生じたものと考えられます。

 

この場合、年収に関係なく

社会保険への加入義務が発生してしまうのです。

 

もちろん、社会保険料も

自分の給料から支払うことになります。

 

これを避けたいのであれば、

労働時間を減らす必要があります。

 

週30時間未満ですね。

また、1ヶ月の出勤日数を

正社員の4分の3未満に抑える必要もあります。

 

パート社員が社会保険に加入する義務は、

年収ではなく労働時間で決まります。

 

ですので、社会保険に自分で加入しても、

税金面では夫の扶養に入り続ける、

という事態はあり得ます。

 

年収103万未満の場合ですね。

 

社会保険に加入することで、

確かに手取りはガクンと減ります。

 

ただ、扶養に入ったままの状態よりは、

将来的に受け取れる年金は増えます。

 

年金が将来どうか?

と聞かれると不安になるとは思いますが、

一応、お金を国に取られるばかりではなく、

将来的なリターンもある(多分)、

と思って下さい。