■ 第117回 改正雇用保険法、施行
2009年3月31日、
つまりこの号が配信される翌日に
改正雇用保険法が施行されます。
今回の改正は、
主に非正規雇用の方への救済措置が
多く盛り込まれています。
(1)派遣社員・期間従業員が
契約更新されずに失業する場合、
6カ月の加入で
失業保険の受給資格が得られるようになる。
今までは保険加入期間が1年ないと
失業手当を受給できませんでした。
これが原因で
「突然クビを切られたのに、
失業保険がもらえない」
という人が大量発生していました。
今回、雇用保険の加入期間が
半年に短縮されることで
受給しやすくなります。
(2)再就職が困難な人に、
給付日数の上乗せ
解雇や雇い止めなどで失業し、
再就職が困難な失業者に対し、
失業保険の給付日数が
最大で60日間延長されます。
(3)雇用保険加入条件の緩和
今までは、雇用保険に加入するには
「1年以上の継続雇用の見込み」
が必要でしたが、
これが6ヶ月に短縮されます。
今までは
「半年契約の契約社員。契約は延長しない」
という場合は
雇用保険に加入できませんでした。
それが今回の改正に伴い、
雇用保険に加入できるようになります。
関連記事:
■ 編集後記
今回の雇用保険法改正は、
3月27日に法律が成立して、
4日後に施行という急なものです。
それだけに
今ひとつ伝わっていない感があります。
改正の主な目的は
非正規雇用社員の保護を
厚くすることですので、
何らかの非正規雇用の形態で
働かれている方は
覚えておかれるとよいでしょう。
■ 第118回 派遣社員が、失業保険をすぐもらえるように
派遣社員の方は、
派遣先との契約期間が終了しても
すぐには失業保険をもらうことが
できませんでした。
派遣先との契約期間終了後は、
「次の仕事を見つけるまでの期間」
として、1ヶ月仕事の紹介がなかった場合のみ
辞めてすぐに失業保険をもらえたのです。
派遣先との契約終了→1ヶ月経過→派遣元を辞める
という流れですね。
厚生労働省が各派遣会社に通達して、
このような処理になっていました。
さて、今回それが見直され、
派遣先との契約終了後、
すぐに派遣「元」を退職しても
すぐに失業保険がもらえるようになりました。
以下に、2009年4月7日付の
産経新聞webニュースの記事を
一部引用します。
<引用ここから>
厚生労働省は、
離職してすぐに離職票の発行を求めた
派遣社員が、
すぐに失業給付を得られるよう、
制度を見直した。
3月31日以降に離職した派遣社員が対象。
これまでは、
派遣元が派遣社員の契約期間満了までに
次の派遣先を提示できなくても、
1カ月は離職扱いにならなかった。
見直しで、
次の派遣先が決まらない場合は、
離職とみなされるようになる。
ただし、同じ派遣元で仕事探しを
継続する場合は除く。
これにより、
派遣社員はスムーズに
失業給付が受けられる。
<引用ここまで>
関連記事:
■ 編集後記
このように制度が見直されたのですが、
不思議な現象が起きています。
私の元に、相変わらず
「すぐに派遣元を辞めたら
自己都合退職になると言われた」
という相談が寄せられているのです。
こういった制度変更を、
各派遣会社が知らないはずは
ないのですが、
中には把握していない担当者も
いるのかも知れません。
「本来はすぐに失業保険がもらえるのに、
担当者の不勉強のせいで
3ヶ月の給付制限がついた」
などという事態だけは
避けたいところです。