松戸のハローワークで個人情報流出 -失業保険ニュース

1.松戸のハローワークで個人情報流出

ハローワークで、

またもや個人情報流出です。

今回は、千葉県松戸市のハローワーク松戸。

 

ハローワークの不祥事で最も多い

「書類を渡す相手を取り違えた」

他に、「書類の紛失」も起きています。

誤交付
誤交付に気付いて真っ青

今、ハローワークの窓口で

職員をされているのは

派遣社員の方や、

キャリアが短い

非正規職員の方がほとんどです。

 

経験と知識が豊富な正規職員の方は?

 

もちろんいらっしゃいますが、

窓口で直接、

相談に乗る機会はどんどん減っています。

ハローワーク窓口
ハローワークの窓口職員は頑張ってはいるのですが・・・

このように、慣れない状態で

業務をこなしている方も多いせいか、

誤交付事件は減るどころか増える一方です。

 

「悪用されなかった」

と免罪符のように

発表に付け加えられるのが定番ですが、

それは運が良かっただけの話ですから。

 

以下、産経新聞からの引用記事です。

松戸のハローワークで個人情報流出情報流出

 

千葉労働局は28日、

松戸公共職業安定所(ハローワーク松戸)で、

いずれも柏市に住む

雇用保険の受給手続きに来た60代男性と、

職業相談で訪れた30代女性の

個人情報の漏(ろう)洩(えい)があったと発表した。

 

いずれも情報流出による

被害などは確認されていない。

 

同局によると、

同職業安定所は

4月12日に提出された男性の

氏名、年齢や口座番号、

前職の離職理由

などが記載された離職票を紛失。

 

また今月9日には女性の氏名や住所、

電話番号などが記載された求職票を

誤って別の利用者に手渡したという。


個人情報流出のニュースは、

下記でもお読みいただけます。

同姓同名で誤交付

雇用保険受給資格者証など誤り交付 加古川と赤穂

雇用保険受給資格者証を誤交付 静岡労働局

個人情報書類別人に 下関職安が誤って交付


 

 

2.流出した個人情報の悪用

1.では、

「情報流出による被害は確認されていない」

とあります。

 

実害がないので一安心・・・

と考えるのは、まだ早すぎます。

 

個人情報の流出=すぐに被害が出る

と考えるのは短絡的すぎる考えなのです。

 

仮に、流出した個人情報を得たとして、

「その人になりすまして、何かをする」

場合は、流出してすぐに被害が出ます。

 

人の名義を使ってなりすましで借金をしたり、

というのが典型的な被害です。

 

しかし、ハローワークで個人情報が流出する場合、

その多くは雇用保険被保険者証です。

 

この書類は、個人の身分証明書としては

一般的ではありません。

 

おそらく、

どこの業者でも

身分証明書としては認めてもらえないでしょう。

 

他人名義で借金しようと企んでも、

使えないということですね。

 

このため、

ハローワークからの情報流出で、

短期間に金銭的な被害が起きる、

という心配はほとんどありません。

 

構造上、

流出した個人情報を用いた詐欺が

やりにくいからです。

 

しかし、だからといって、

被害が全くないと考えるのも間違いです。

 

直接的には悪用できない個人情報でも、

売ればいくらかのお金にはなります。

 

マンション投資の勧誘などで、

業者から電話がかかってきた、

という経験とお持ちの方も多いと思います。

悪徳セールス
悪徳セールスのターゲットに

あの人たちは、

こちらの名前まで把握しています。

 

これは、誰かが私たちの個人情報を

「お金に換えているから」

です。

 

名刺をまとめて名簿業者に売る人もいます。

 

大したお金にはならないのですが、

お金に困った人は何でも売ってしまうようです。

 

このように、直接的な詐欺被害でなくとも、

「変なセールス電話が大量にかかってくる」

ようになる被害は起こりえます。

 

ハローワークも、

「直接被害は確認されていない」

というコメントをすることで

「何も被害はなかった」

と印象づけようとしていますが、

小さな被害につながる可能性は高いです。