1.残った有給休暇はどうなるの?
退職するにあたっては、
残った有給休暇をまとめて取る人が多いです。
有給休暇は最大40日までためられますので、
最終出社日から退職日まで
2ヶ月程度の間が空くことも珍しくありません。
(1ヶ月20営業日とした場合。
少ないようですが、祝日が多い月ならあり得ます)
有給休暇について、もう少し詳しく知りたい方は
をご覧ください。
この有給休暇、
会社にとっては非常に腹立たしいもののようです。
「なんでもう会社に1円も利益を持ってこない社員に
2ヶ月も給料を払わないといけないんだ!」
と激高する経営者の方も少なくありません。
しかし、法律で認められている以上、
社長がいくら腹が立とうが激高しようが有
給休暇は取得可能です。
「認めない」
という言葉は、いくら社長であっても言えないのです。
ここまで建前論。
実際のところは、
有給休暇は取らせずに即日会社から追い出す、
という事態は頻繁に起きています。
しかし、当然これらのやり口は完全に違法。
有給を消化させなくてよいのは、
たったひとつの場合だけです。
それは
「社員が自分から、有給休暇を放棄した」
ときに限られます。
このため、会社側はあの手この手で
「社員が自分から、有給休暇を放棄した」
形を作ろうとします。
もちろん、あなた自身が
「会社に世話になったことには変わりないから・・・」
と考えて自分から有給を放棄するなら、
それは自由です。
しかし、これから職を失うという状況で
【2ヶ月分の給料を平気で手放せる】
ほど余裕がある人がどれくらいいるでしょうか?
だいたい、失業保険ですら
3ヶ月しかもらえない人が多いのです。
失業保険より金額が多い月給を
2ヶ月放棄するというのは、
生活費に当てられるお金が半減する
ことを意味します。
少しでも後悔する可能性が残っているのでしたら、
有給休暇は放棄するべきではありません。
会社を辞めた途端に後悔している人は大勢いるのです。
退職時の有給休暇消化について。
引き続き、
をご覧ください。
2.Q&A
Q.退職のときの有給休暇について教えて下さい。
私が配属されていた部署は、
普段ギリギリの人数で仕事を回していました。
このため、有給休暇もなかなか取れず、
希望を出してもよく却下されていました。
このため、退職時には
有給休暇が40日残っていました。
上司に
「この有給休暇を消化したい」
と希望したのですが、
「有給消化していたら、
引き継ぎが間に合わないでしょう?」
と言われ断念しました。
しかし、後から調べると、
有給休暇の希望は、
会社は拒否できないことを知りました。
退職後ではありますが、
今からでも有給消化したことにして、
その分のお給料を請求することは
可能でしょうか?
A.残念ながら、無理です。
退職した時点で、
有給休暇は消滅してしまうからです。
消滅したものを、消化することはできません。
会社が、従業員の無知につけこんで、
損失を押しつける典型的なやり口ですね。
「有給を消化していたら、
引き継ぎが間に合わない」
というのも典型的な
【言いくるめ手法】
です。
引き継ぎが間に合わないのであれば、
退職日を後ろにずらせばいいだけの話です。
しかし、
なぜか退職日は動かせなくて、
引き継ぎはギリギリまで終わらない
スケジュールが組まれます。
よく
「ウチは、締め日でしか退職できないから」
などと言って説得を試みる上司がいます。
しかし、こんなことは大ウソです。
単に、
給与計算や社会保険料の計算が面倒になるから
というのが理由で、
職場慣習化しているに過ぎません。
上司も、その上司から
「デタラメなルール」
を教えられ、それを何の疑問も持たずに
自分の部下に押しつけていたりするものです。
今回は残念ですが、
次に退職される際は上司の口車に乗せられないよう、
退職時の有休消化ルールを
しっかりと把握しておきたいところです。