■ 第112回 派遣・雇い止め・失業保険
派遣切りが止まりません。
昨年末からひんぱんに
報道されるようになりましたが、
3月にはさらに多くの方が
職を失う見込みとなっています。
混乱はまだまだ収まる見込みはありません。
事態を受けて、
厚生労働省は「派遣社員の方の雇い止め」
について失業保険の受給条件を
緩和する案を出しました。
具体的には、失業保険の受給に必要な
雇用保険の加入期間が、
1年以上→半年以上
になります。
なお、給付日数も今後3年間に限り、
「倒産・解雇の場合」
と同じ日数になります。
雇用保険は、
正社員や派遣社員といった区別はなく、
「労働時間」と「雇用期間の見込み」
を満たしていれば加入するものです。
しかし派遣の方の場合は、
この1年という加入期間を満たす前に
雇い止めにあい、
結果「雇用保険料の払い損」
になっている方も多く問題になっていました。
今回の措置は対処療法的な面
は否めませんが、
それでも助かる方が
大勢出てくるのは確かです。
後は、
「本当は支給されるのに、
そのことを知らない」
方をどう減らしていくか、です。
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■ 編集後記
今回取り上げた件は、
1月8日に
厚生労働省で要綱がまとめられました。
しかし、ほとんど報道されていないようです。
地味で理解が面倒なニュースなのは
確かですが、
こうした「見ている人にとって役に立つ」
ことも報道してもらいたいと思います。
■ 第113回 会社で私用メール
先日、
「会社での私用メールしていたことがバレて、
懲戒処分にされた」
というご相談をいただきました。
意外と知られていませんが、
会社のパソコンで送受信したメールは、
全てネットワーク管理者に筒抜けです。
現実的にはいちいち監視しているほど
暇ではないですから、
普段は問題になることは少ないです。
しかし、もし会社が
「人員削減」の理由を探していたら?
私用メールは格好の材料になります。
早い話が、私用メールを
会社のパソコンで行わないことが一番です。
しかし、家にパソコンがなかったり、
どうしてもチェックしたいメールがあるなど、
やむを得ない事情がある人も
いらっしゃるかと思います。
そうした場合に、
「ネットワーク管理者にばれない方法」
をお教えします。
これは簡単で、Gmailを使うことです。
Gmailには、ログインからメールの送受信まで、
全てを暗号化する機能がついています。
「設定画面」→「ブラウザ接続」で
「常にhttpsを使用する」にチェックを入れると、
ネットワーク管理者から見ても
メールを送受信していることが分かりません。
絶対にバレないとまでは言いませんが、
原理的には不可能です。
「他のメールアドレスを使っている」
という場合は、
Gmailに転送する設定
にしておけばよいでしょう。
Gmailには、
他のメールアドレスから返信したように
見せかける機能もあります。
企業は、人を切りたいときには
些細な服務違反を大問題に仕立て上げます。
私用メールを会社で行うのは
全く勧められませんが、
どうしても必要だ、という場合は
最低限の防御策を講じてから行いましょう。
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■ 編集後記
好景気(実感はありませんでしたが)
といわれていた頃は、
私用メールをとがめられたという相談は
非常に少なかったのですが、
最近になり目立つようになってきました。
企業も完全に余裕がなくなり、
なりふり構わないご時勢です。
自分の身は自分で守りましょう。