1.産休した場合の給付金は?
妊娠しても、今の仕事を辞めたくない。
そのような場合は、休職して出産後に復帰することになります。
さて、問題は休職期間中の収入です。
会社から給与が出るのであれば問題はないでしょうが、そのような会社は少数です。
何か、給付金はあるのでしょうか。
こういう場合、健康保険から給付金をもらうことができます。
それが、「出産手当」と呼ばれる制度です。
もらえる金額は、産休前に支給されていた給与額の3分の2です。
これは、1日ごとの支給になります。
支給対象となる日は、「出産予定日の42日前」から「出産後の56日後まで」です。
となると、最高で98日もらえるのか?と考えがちですが、実はそれ以上にもらえることがあります。
出産が予定日よりも遅くなった場合、延びた期間についても出産手当が支給されるのです。
出産手当金をもらえる資格は、全く厳しいものではありません。
健康保険に加入していれば、誰でももらうことができます。
しかし、いったん健康保険を脱退すると受給資格を失いますから、妊娠・出産を理由に会社を辞めるのは実は大損なのです。
ですので、「うちの会社では、妊娠したら辞めるのが暗黙の了解になっている」などと気後れしてはいけません。
「給与ゼロでもいいので、在籍だけさせてください」
と押し通してでも、会社にしがみつきましょう。
出産手当は、会社が負担するわけではありませんのでさほど抵抗されずにOKしてもらえることも多いのです。
「会社に負担をかけない」
ということを会社に理解させることが重要です。
不幸にも辞めざるを得ない状況となった場合も、
失業保険の延長手続きは忘れずにとっておくようにしてください。
失業保険の延長手続きに関しては、以前に書いた記事
を参照されてください。
2.出産したら誰でももらえる出産育児一時金
1.でお話した出産手当は、本人が健康保険の被保険者でなければならない、という制限がありました。
国民健康保険の加入者では、もらうことができないのです。
しかし、何も救いがないかというと、そんなことはありません。
「出産育児一時金」という制度があるからです。
もらえる金額は、42万円です(平成26年度)。
この出産育児一時金は、非常に間口の広い給付金で、国民健康保険の被保険者や、扶養家族でももらうことができます。
出産手当がもらえる健康保険の被保険者でも受給できますので、相変わらず不公平感は残りますが、もらえないよりはマシです。
この出産手当金は一括で支給されますが、支給する主旨が「出産にあたっての費用で家計が苦しくならないように」というものですから、病院に直接払い込まれます。
この制度を利用することで、貯蓄が乏しい場合の出産でも入院費用がまかなえます。
自分で申請しない限りもらえないのは他の給付金と同様ですが、病院で申請を勧められますので、忘れてしまう心配は少ないでしょう。
手続きの窓口は、組合健康保険の人はその事務局、協会けんぽの人は各地の支部になります。
なお、不幸にも流産した場合でも出産育児一時金は出ます。
詳しくは、デマ注意報&もらい損ねをご覧ください。
3.まとめ
・産休中に会社から給与が出ない場合、健康保険から給付金がもらえる。
・国民健康保険加入者の場合、出産育児一時金という給付金を一括でもらうことが可能。
・いずれも、自動的に振り込まれるわけではないので、申請が必要。