職業訓練の探し方

1.職業訓練コースの探し方

職業訓練コースを探すのにもっとも一般的な方法は、ハローワークに設置してあるパンフレットをもらってくることです。

情報が多くて悩む。
情報が多くて悩む。

 

職業訓練には2種類あると前回、前々回でお話しましたが、このうち、地方自治体が行っている職業訓練についてはパンフレットを確認すれば大まかな傾向がつかめます。

 
技術専門校で実施される職業訓練については、毎年同じコースが繰り返されることが多く、廃止されたり新しい職業訓練コースが始まったりといった変化に乏しいからです。

 
このため、あれこれ自分で歩き回らなくてもハローワークのパンフレットだけで基本的な情報収集は完了してしまいます。

1年、2年といった長期の職業訓練コースはこちらにしかないといってもいいぐらいですから、長期コースを狙う人は情報収集はパンフレット中心でも構いません。

一方、独立行政法人「高齢・障害・求職者雇用支援機構」が運営する職業訓練については、パンフレットの内容をチェックしただけでは全貌がさっぱり掴めないと考えた方がよいでしょう。

なぜかというと、定番の職業訓練コースに加えて、新設の職業訓練コースが毎年加わるからです。

もちろん、新設される職業訓練コースの陰では、廃止されていく職業訓練コースも大量に存在します。

このため、今現在募集されている職業訓練コースの全てを把握するのは至難の業になっています。

探し方ですが、ハローワークに出向している「高齢・障害・求職者雇用支援機構」の職員に希望コースを伝えて探してもらう、というのが初めのうちはよいかも知れません。

自分である程度職業訓練について分かってきたと思えたら、「高齢・障害・求職者雇用支援機構」のホームページから探していくのがお勧めです。

 

2.倍率が高い職業訓練はあきらめる?

職業訓練コースの情報収集をしていくと、様々な情報が目に入ってきます。

その中でも、受講前に最も気になるのが「倍率」という人も多いと思います。

倍率だけ見てあきらめない。
倍率だけ見てあきらめない。

職業訓練は、高校受験や大学受験とは異なり、いくつものコースを同時に受験して合格した中から好きなコースを選ぶ・・・といった手順は取れません。

そのため、一度落ちた場合は、次の職業訓練コースの選定からやり直さなければなりません。

こういったタイムロスを重ねるうちに失業保険の受給残日数を使い果たしてしまい、
「今から職業訓練に行っても、失業保険の延長が受けられない・・・」
とあきらめてしまうケースは非常に多くなっています。

そのため、倍率が高い職業訓練コースを選ぶのは少々リスクが高くなってしまうのは確かです。

しかし、前回の倍率が高かったコースが、常に倍率が高いとは限りません。

たまたま応募者が殺到したせいで一時的に倍率が上がってしまうということも多いのです。

こういった倍率の推移は、公開されているデータだけだと掴めません。

気になる職業訓練コースがあったら、実施校に倍率の推移を確認するのもお勧めです。

倍率の変動が激しい職業訓練コースの場合、前回の倍率が高いと敬遠されて、その次の倍率は低くなることが珍しくないからです。

こうした職業訓練コースは、ある程度人気もあり、しかも入りやすくなるターンがあるので狙い目といえるでしょう。

一方、安定して倍率が高い職業訓練コースも存在します。
「ビル管理コース」などは、2倍超の倍率で高止まりしている職業訓練校が多く、難関コースのひとつとなってします。

訓練内容そのものに興味がある場合はどんどんチャレンジすべきですが、職業訓練を受けることが優先の場合はこういった難関コースは外すのが原則です。

どれが難関コースか?というのも、過去の倍率の推移を観察してみると簡単にピックアップすることができます(訓練実施校に聞けば分かります)。

3.職業訓練の倍率が上がる意外な理由

職業訓練コースの倍率の調査は、受講できる確率を高くするために必須の情報収集です。

自分が受講しても良いと思える職業訓練コースの中から、受講できる可能性が高い職業訓練コースを絞り込んでいくことで、勝率がグンとアップするからです。

なお、以前は倍率のデータはインターネット上で公開されていましたが、ここ1~2年(2,014年以降)は公開しない自治体が増えている傾向にあります。

公開されていないからといって、機密情報というわけではありません。

実施校に聞けば教えてもらえますから、どんどん聞いていきましょう。

さて、職業訓練コースの倍率は、職業訓練の内容によって左右されます。
ここまでは、ほとんどの人が当たり前のように納得できると思います。

しかし、職業訓練の倍率を左右する、意外な要素が存在します。

それは、「通うのに便利な学校で行われる職業訓練ほど、倍率が高くなる」ことです。

職業訓練校は郊外にあることが多いのですが、外部の資格試験予備校に委託した職業訓練コースの場合、通学に便利な都心が会場になることが少なくありません。

東京でいえば、新宿や渋谷などです。

通学に便利な場所ということは、それだけ希望する人も増えるのです。

特に、他の都道府県からの入り口になっているターミナル駅が最寄り駅になっている場合は、とんでもない倍率上昇が見られます。

職業訓練は近隣の都道府県で実施されるものも受講可能ですが、通学に便利なところだとそういった「他県のライバル」とも競争しなければならなくなるからです。

この結果、職業訓練の内容に比べて倍率が上がってしまいます。

確実に職業訓練を受講したいと考えるなら、こうした「通学に便利な」場所で実施される職業訓練は避けた方が無難です。

郊外の職業訓練も視野に。
郊外の職業訓練も視野に。

 

4.まとめ

・地方自治体が実施する職業訓練はパンフレット中心で探してもよい

・独立行政法人「高齢・障害・求職者雇用支援機構」が運営する職業訓練は、webで情報収集。

・倍率が高い職業訓練が、常に競争が激しいとは限らない。倍率を見ただけであきらめるのはもったいない。

・交通の便が良いところは、職業訓練の倍率が高くなりやすい。どうしても学びたい内容があるなら、郊外の職業訓練校を視野に入れるのも良い方法といえる。交通費も出るので、費用的な負担はあまり考えなくてよい。