■ 第149回 被災して仕事がままならない人の失業保険
今回は、東日本大震災で
被災された方にお知らせです。
被災された方への特例措置として、
実際に会社を辞めていなくても、
失業保険がもらえる
ようになっています。
簡単にまとめますと、
条件は以下の通りです。
1.今回の震災で、職場が被災した
2.職場が被災したため
仕事ができなくなり、
収入がなくなった
3.特例措置として、
実際に辞めていなくても
失業保険の受給が可能
4.正社員だけでなく、
請負や派遣社員でも受給可能
5.避難などで
遠隔地に滞在している場合は、
その地のハローワークで手続き可能
(本来は、
住んでいる場所を管轄する
ハローワークでないと
受け付けてもらえません)
微力ながら、被災された方の不安を少しでも軽くする一助になれば
幸いです。
■ 編集後記
3月11日の地震で被災された方々に
心からお見舞い申し上げます。
今回は被災地以外の方には関係ない
情報でしたが、
何とぞご容赦ください。
■第150回 東京電力は既存社員をリストラすべきか?
東京電力が、
来年度の新卒採用を見送ることを
発表しました。
これを受けて、
「若い人は採用して、
給料が高い中高年を
リストラすべきだ」
という批判も出ています。
しかし、
感情的な問題はともかくとして、
法律上は
「新規採用を続けながら
既存の社員をリストラする」
ことは認められていません。
解雇の正当性が認められるには
非常に厳しい条件が
定められているのですが、
その中のひとつに
「新規の採用を抑制する」
という項目があるからです。
簡単にいうと、
「既存社員をクビにして、
新規採用をするのはダメですよ」
ということです。
これが許されると、
給料が上がってきた社員が、
ある日突然会社を追い出される
という、
とても不安定な立場
に立たされるからです。
若くなくなったら使い捨て、
という発想はブラック企業にも
通じるものがあります。
決して許されることでは
ありません。
しかし、世の中の他の会社を
見渡してみるとどうでしょうか。
「給料が安い若い人を入れて、
給料が高くなった
社歴が長い社員を切る」
会社はごろごろしています。
実はそれ、違法なのです。
多くの人が勘違いしていますが、
リストラは、会社の経営立て直し
手法としては、
ほぼ最終手段に近いのです。
本来、経営不振に陥ると、
経営陣が役員報酬を返上し、
会社の資産や事業の切り売りから
スタートするのが、
正しい経営立て直し手順なのです。
後は、取引先との契約条件を
もれなく見直すなど、ですね。
これが本来のリストラクチャリング
なのですが、日本ではリストラ
イコール社員首切りという意味で
定着してしまった感があります。
このようなお寒い状況ですから、
会社の経営立て直しで
真っ先に社員の首切りが始まるのですね。
あなたが仮に
解雇の標的になったとしても、
会社が
新規採用を続けているのであれ
「こんなのは不当解雇だ!」
と主張することができるわけです。
■ 編集後記
今回の件は、
あくまで人員整理に関わる件で
不当解雇を主張できることに
ご注意ください。
会社のお金を横領したとか、
そういう事情がある場合は
さすがに解雇されても文句は言えません。
■ 編集後記2
今回のタイトル
「東京電力は既存社員を
リストラすべきか?」
に対する答えですが・・・
個人的な見解を書くことは
差し控えさせていただきます。
この件については、
私もあまり冷静さを
保てていませんので(笑)。
しかし、東京電力が
「既存社員をリストラしても
解雇の正当性が成立する」
状態になったことは確かです。
あそこまで大きな会社であれば、
実質的にはともかく
形式的な法律違反になる施策は
手をつけないからです。
あくまで「形式的な」で、
実際に行わらた数々の隠蔽工作は、
合法であっても信じがたい
やり方ばかりでしたが…