1.被災地雇用なお課題 震災前より求職3000人増
東日本大震災から1年がたちました。
復興は遅々として進まない印象がぬぐえません。
また、震災が原因で失業された方の再就職も、
まだまだ課題が多いのが現状です。
東日本大震災関連の記事は、
下記でもお読みいただけます。
本日、岩手県湾岸部でのハローワークから発表された、
有効求人倍率、有効求人数、有効求職者数、失業給付受給者数
が報道されました。
震災前より有効求人倍率などが上がっていて、
一見好転しているように見えます。
しかし、こういった数字は復興関連で
一時的に需要が増している建設業、建築業が多く、
業界未経験の方にとっては狭き門になっています。
以下、岩手日報の記事から引用です。
本県(岩手県)沿岸被災地の雇用は、
緊急雇用創出事業や復興関連の求人増で
有効求人倍率などが好転してきたが、
有効求職者数は震災前に比べまだ約3千人増だ。
企業の事業再開の遅れや低い稼働率、
正社員求人の少なさは「ミスマッチ」に直結。
雇用の課題は多岐にわたり、
震災1年を経ても解決は遠い。
被災事業者と離職者の立場に立った、
実効性の高い総合対策が待ったなしだ。
沿岸4職業安定所
(釜石、宮古、大船渡、久慈)管内は
震災後、雇用保険加入者の5人に1人が離職。
2011年5月には
有効求職者数がピークの1万4397人
(前年同期比6400人増)に達した。
県は目標1万人(全県)の
緊急雇用創出事業を展開。
建設業を主体とした復興関連求人の大幅増や
国、県が復旧費の原則4分の3を助成する
「グループ補助金」などの効果も出始め、
1月には有効求人倍率が
初めて沿岸4職安全てで前年同期を上回った。
有効求人数(6533人)は倍増した。
一方、1月の有効求職者は約9500人で、
前年同期より約3100人多い。
ピーク時より約4900人減ったが高水準は続く。
大船渡職安管内は前年同期の約2倍だ。
県は12年度、
被災事業者に人件費を一部助成する
事業復興型雇用創出事業を軸に、
県内で約1万8千人の雇用創出を計画。
津軽石昭彦雇用対策課長は
「被災者の失業給付切れも近くピークを迎える。
補助事業やセミナーなどを通じ、
課題に対応していく」
と話す。
2.Q&A
Q.震災で職を失った人で、
漁師をされていた方は自営業ですよね?
雇用保険に加入していないのだから、
求職者登録もせず、
「求職者にカウントされていない」
ということはあり得ますか?
もしそうだとすると、
実際の失業者は県の発表より
はるかに多いことになります。
また、必然的に
失業率は発表された数字より
はるかに悪いのではないでしょうか?
どうも、回りを見ると発表されている数字より
はるかに景気が悪いように思えてならないのです。
A.その推測は、おそらく当たっています。
失業率の計算方法を調べれば分かりますが、
ハローワークに「職を探します」と届け出た人だけが
「求職者」になります。
つまり、「職はないけど、ハローワークに行っていない」
という人は数に入っていません。
ハローワークの仕事に応募する気がなく、
さらに雇用保険の加入期間が短く、
失業保険ももらえない・・・
このような人であれば、
積極的にハローワークに行こう
とは思わないでしょう。
ご質問にある漁業の方のように、
もともと自営業者であった方も
これに該当します。
自営業者の方は、
ハローワークに行ったところで
失業保険をもらうことができません。
だったら、行かない、
という人が相当数いると考えるのが自然です。