解雇とは

景気回復、景気回復といわれます

が、まったく実感がわかないのが

正直なところです。

 

失業率が低下して、

求人倍率が増えたと

報道されていますが、

求人の内容は

不況と言われていた頃と変わらず、

アルバイト・パートといった

非正規雇用が過半数を占めています。

 

いつの時代であっても、

立ち場の弱い非正規社員は

解雇されますし、

学生の内定取り消しも起きています。

 

また、正社員の解雇も

当たり前のように

行われるようになりました。

 

このような

殺伐とした環境ですから、

いつ自分の身に

解雇が降りかかってくるか

分かりません。

少なくとも、

会社の思い通りに

誘導されないよう、

最低限の知識は

持っておきたいところです。

 

ところで、「解雇」という言葉は

誰でも知っていますが、

その意味を正確に把握している人は

あまりいません。

 

「解雇」とは、

会社側が従業員

(正社員、契約社員、

アルバイトなど

雇用形態は問いません。

派遣社員は別)

との間に結んだ労働契約を

強制的に解除することをいいます。

 

具体的には、

次のようなものが解雇に該当します。
・普通解雇
・整理解雇

(これが、いわゆるリストラです)
・懲戒解雇
・内定者に非がない場合の、

会社からの一方的な内定取り消し
・契約更新を繰り返していた

パート・アルバイトや契約社員の

契約更新拒否

(これが、雇止めに該当します)
・試用期間の終了時に、

本採用しなかった場合

意外なところでは、

最後の

「試用期間終了時に

本採用に至らなかった場合」

も解雇となります。

以前にも書きましたが、

解雇の特徴として

「会社の側から」「一方的」

という2点があげられます。

従業員の方から

辞めることを切り出す

「退職」や、

会社の提案に従業員が

自分の意思で応じる「退職勧奨」

とはこの点が決定的に異なります。

 

現場では、

「退職」あるいは「退職勧奨」

の名を借りた

「解雇」が横行しています。
実質解雇でも、

退職勧奨になるなら

「まだ良心的」といえるぐらいです。

 

ほとんどの人は、

会社から一方的に切り捨てられたに

も関わらず、

自主退職あつかいに

されてしまっているのです。

 

会社の仕掛けたリストラのワナに

引っかからないよう、

しっかり知識武装しておきたいものです。

 

■普通解雇・整理解雇 ・懲戒解雇

解雇は、3種類に分類されます。
普通解雇、整理解雇、懲戒解雇

の3つです。

順番に見ていきましょう。

普通解雇とは、

従業員が何らかの理由で

労働力を提供できない事態に陥った

場合に解雇することを指します。

労働力を提供できなくなる理由

とは、病気やけがによって、

通常の職務に堪えられるだけの

健康状態を保てなくなった

ような場合です。

あるいは、

体調には問題がなくても、

職務に対する著しい能力不足や、

適性が著しく欠けるといった場合に

解雇された場合も、この普通解雇に

該当します。

次に整理解雇です。

整理解雇とは、

会社の業績が思わしくないなど、

経営状態の悪化に伴って行われる

解雇のことをいいます。

減少した仕事量に対応するよう、

人員整理を行うことが目的です。

一般的に、

リストラというとこの整理解雇を

思い浮かべる人が多いでしょう。

最後に、懲戒解雇です。

懲戒解雇とは、

従業員が重大な職務規程違反を

行った場合や、

犯罪に関与していたことが

発覚したような場合に、

制裁的に解雇する場合を指します。

職務規程違反とは、

会社との信頼関係を

大きく裏切るような行為を指します。

例えば、

自分が独立するにあたって、

会社の社員を大勢引き抜いて

元の会社を機能不全に陥らせよう…

と画策したような場合です。

学歴や職歴を偽って入社した

ような場合も、

この懲戒解雇に

該当することがあります。

また、会社との信頼関係以前に、

犯罪に手を染めたような場合も、

当然この懲戒解雇にあたります。

会社のお金に手をつけたり、

会社の顧客情報を

持ち出して売ったり、

酒に酔って人を殴ったり・・・

といった具合です。