■第66回 赤福
最近は下火になってきましたが、
一時期の赤福報道は
すさまじいものがありました。
コストダウンにかける情熱が
迷惑な方向にいってしまったようです。
赤福は営業停止になってしまい、
営業再開のめどは立っていません。
※現在は営業再開しています。
さて、今回はこの赤福を題材に、
混乱している会社を辞めた場合、
失業保険がどうなるのか見ていきます。
赤福の社員の方が今会社を辞めたら、
すぐに失業保険がもらえるのでしょうか?
答えは、「すぐにもらえる社員と、
もらえない社員がいる」です。
理由は、私が有料で販売しているノウハウに
触れてしまいますのでカットしますが、
少なくとも
「今すぐ辞めても当面は生活できる」
人がいるということです。
具体的には・・・
●入社間もない社員(失業保険の受給資格は必要)
●会社の内実にうとかった社員
は、退職後すぐに
失業保険をもらえる可能性が高いでしょう。
一方、
●ベテラン社員
●商品製造に直接関わっていた社員
は、失業保険をすぐにもらうことは難しくなります。
また、今日現在
「すぐに失業保険をもらえる社員」
だったとしても、
ボサっとしているとその資格を失います。
要は、
「会社が業務停止になったり、
違法行為が発覚してパニックになっているとき」
は、
「会社を辞めるタイミング次第で
失業保険に大きな差が出る」
と理解していただければ
よろしいかと思います。
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■ 編集後記
赤福の偽装問題ですが、
発覚は退職者の内部告発
によるものと言われています。
「検査に入った農水省が、
偽装の方法をあらかじめ知っていた」
そうで、これは内部告発以外には
あり得ません。
なぜ「退職者」と分かったのかは
報道からは読み取れませんでしたが・・・
退職に追い込まれた人が
会社を恨んで内部告発、
という典型的なパターンでしょうか。
ただ、私見では
「この内部告発した人、
ずいぶんもったいないことしたな」
というのが正直なところです。
これだけのネタがあれば、
会社都合退職にするのは
難しくなかったのです。
会社に腹が立って、
社会的制裁を加えてやろう・・・
と考えるのは自由です。
(私は推奨しませんが)
しかし、
どう立ち回れば損をしなくて済むか、
と考えれば
「退職後に内部告発」
なんかしませんし、
それだけで手元に残るお金は
ずいぶん違ってきたはずです。
Q&A
Q.会社の不正行為を告発したいと考えています。
いわゆる内部告発に該当すると思います。
会社は勤務実態のない社員の名義を使って、
数年来にわたって雇用関係の補助金を
国からだましとっています。
あまりの酷いやり口に我慢ができないのですが、
内部告発を行った場合、
私は何らかの罪に問われてしまう可能性が
ありますか?
国からお金をだまし取っていることを
告発するのだから、
普通に考えたら
罪に問われるようなことはないはずなのですが、
守秘義務に違反しているような気もしますし、
不安がぬぐいきれません。
どう動くのが一番よいでしょうか?
A.まず、今回の件では、
内部告発したからといって
罪に問われることはありません。
なので、どんどん通報しましょう・・・
と言いたいところですが、
今後のことを考えてからにされた方が
よいでしょう。
なぜかというと、
その「国から助成金をだまし取っている」
事実を知ることができる立場の社員が
ごく少数の場合、
真っ先にあなたに
「内部告発者の疑い」
がかかるからです。
会社は、不満分子については敏感ですから、
少数の人間しか知らないことをネタに
立ち入り検査などをくらった場合、
誰が怪しいかはある程度絞り込めてしまいます。
その対象が少ない場合、
あなたがあぶり出されてしまう可能性が高いでしょう。
もう辞める、この会社での出世はどうでもいい、
という覚悟があるのであれば、通報もありです。
しかし、会社を辞めるつもりがないのであれば、
内部告発のしっぺ返しは、結構高くつきます。
「内部通報者は保護されるんじゃないですか?」
と思われるかも知れません。
確かにその通りです。
しかし、誰が告発したか、国が言わなくても、
会社は内部で犯人捜しをします。
その容疑者全員、
まとめて報復する会社も珍しくありません。
東証一部上場企業でも、
平気でこういうことは行われます。
そのあたりのリスクを勘定に入れてから
実際の行動に移すようにしましょう。