退職届はいつまでに出せばよい? 失業保険をもらうまでのスケジュール1

1.退職届はいつまでに出せばよい?

今回から、

「辞めると決めてから失業保険をもらうまで」

の流れを時系列で見ていこうと想います。

 

実際に体験する順番で記事を並べることで、

より

「退職から失業保険をもらうまで」

がイメージしやすくなると想います。

退職届
こんな辞め方はダメです

第1回目の今日は、「退職届」です。

 

退職届でよくある疑問ですが、

だいたいは次のふたつに集中します。

 

・いつ提出すればいいの?

・どうやって書いたらいいの?

 

それでは、順番に見ていきましょう。

 

・いつ提出すればいいの?

退職は、「辞める日の2週間前」に言えばよいです。

根拠は、民法です。

 

詳しい説明は省きますが、民法では

「期限が決まっていない契約は、

2週間前にいえば解除できる」

からです。

 

「じゃあ、会社が社員をクビにするのも

【2週間前】でOK?」

と疑問を持ったあなたは頭が良い人です。

 

類推能力が高い人は、

そうした疑問を持たれることが多いようです。

 

しかし、会社の場合は民法とは別の法律で

制限をかけられていますので、

2週間前に会社を辞める(辞めてくれ)

といえるのは社員側だけになります。

解雇
君は2週間後にクビだよ・・・は通用しません

「でも、就業規則には

【退職の1ヶ月前までに言う】

ように書いてあるけど?」

 

はい。

 

企業の就業規則を見ると、確かに

「退職は1ヶ月前までに言わなければならない」

という規程があることが多いです。

 

すごい会社になると、

「退職の3ヶ月前に退職を申し出ること」

という制限がかかっていることすらあります。

 

しかし、どうしても早く辞めたいなら、

これらの規程は気にしなくても構いません。

 

別に破ったからといって、

・懲戒解雇にされたり

・警察に呼ばれたり

・損害賠償請求をされる

ことはないからです。

 

いや、

損害賠償請求はされるかも知れませんが、

裁判所は認めない・・・

といった表現が正確です

(最近、無茶な理由で訴えることも増えているので)。

 

結論としては、就業規則を絶対視する必要はなく、

退職は2週間の間を空ければ認められる、と覚えておくとよいでしょう。

 

ちなみに、

「退職届を出してから2週間」

ではありません。

 

「退職の意思表示をしてから2週間」

です。

 

別に書面でなくても

「辞める意思表示をした」

ことには変わりないからです。

退職届
退職届を出さなくても、辞める意思表示はしたことになります

ただ、これは会社の方が

「覚えがない」

ととぼけることがありますので、

「理屈の上ではそうだけど、実際には・・・」

という結論になりがちです。

 

とにかく一刻も早く退職したくて仕方がない、

という方はこの理屈を主張してみても良いでしょう。

 

もちろん、就業規則で定められた、例えば

「退職希望日前の1ヶ月前までに届けること」

というルールを守れるのであれば、

それに越したことはありません。

 

就業規則が守れるのであれば、

その分、会社ともめなくて済むからです。


次回は、

「退職届はどうやって書いたらいいの?」

についてお話ししていきます。

失業保険をもらうまでのスケジュール2

退職届の書き方

へお進みください。


 

2.Q&A

Q.退職を希望しています。

 

在職中に転職先を決めてから、

退職を伝えようと思います。

 

この場合、

転職先がなるべく早い入社を希望した場合、

2週間で辞めてしまっても構わないのでしょうか?

 

就業規則を見ると、

辞める場合は、1ヶ月前に届けるように

と書いてあります。

 

A.この場合、法律的には2週間で構いません。

 

とはいえ、可能な限り

就業規則を守ることをお勧めします。

 

理由ですが、

会社の抵抗など、

余計なトラブルを避けるためです。

 

転職先がなるべく早い入社を希望する場合・・・

といっても、

まともな会社であれば

「在職中なら、そう簡単には辞められない」

ことぐらいは理解しています。

 

逆に、

「前の職場で

どれだけトラブルを起こしてもいいから、

ウチに早く入社してくれ」

などという態度を取る会社だと、

転職先としては不安です。

 

自分の会社さえ良ければ、

入社する社員がトラブルを抱えても構わない

という考え方が透けて見えるからです。

 

簡単にいうと、

社員の事情を全く考えてくれない企業

という体質が透けて見えるのです。

 

結論としては、

辞めることを伝えるのは、

退職日の2週間前でも

「法的な責任を問われること」

は確かにありません。

 

しかし、あくまで非常手段です。

 

転職先に言われたからといって

2週間で強引に辞めていく、

というのは最後の選択肢です。

 

繰り返しますが、

転職者の事情を一切考慮しない企業は、

転職先としては考えものです。