雇用安定助成金不正受給 詐欺容疑立件 -失業保険ニュース

雇用安定助成金不正受給 詐欺容疑立件

(2016年11月22日更新)

引用記事に登場するご本人様より

「名前を削除しろ」

とのご連絡をいただきましたので、

名前を「ペケゾウ(仮名)」「社長(仮名)」に変更しました。

 

(2016年11月24日追記)

関係者の特定ができないよう、

事件が発生した県名や、

関わった社名を伏せました。

 

 

↓本編

 

●●●●県で、

中小企業緊急雇用安定助成金

を詐取していたとして、

会社経営者と社会保険労務士

が逮捕されました。

悪いことはバレる
悪いことはバレる

雇用安定助成金というのは、

ものすごく簡単にいうと

「国が補助金を出すので、

従業員をクビにしないでくださいね」

という制度です。

 

2008年のリーマンショック後、

企業業績が悪化し、

過剰なリストラ(という名の首切り)

が横行したことをきっかけに

制度として導入されました。

 

制度導入時から懸念されてはいましたが、

やはりこの補助金を狙った詐欺は

相当件数発生しています。

 

あまり詳しいことは言えませんが、

私のところに相談いただく方にも、

「実際は条件を満たしていないのに、

会社が雇用安定助成金をもらっている」

「本当は働いているが、

自宅待機しているという口裏合わせを強要された」

などというケースが実際にありました。

 

これはもう、立派な犯罪行為です。

 

しかも今回は

社会保険労務士まで協力しているという

用意周到ぶり。

ブラック士業
頭が良い人が裏で仕組みを作る

不正受給はしょっちゅう摘発されてはいますが、

刑事事件として立件されたのは

●●●●県初というのもうなずけます。

 

計画を立てたときには、

不正受給してもどうせバレないだろう、

と高をくくっていたのだと思います。

 

しかし、ここまで大規模な計画になると

関わった人間の誰かから足がつき

表沙汰になってしまうものです。


不正受給関係の記事は下記をご覧ください。

雇用保険不正受給で逮捕者

失業保険 7人に不正受給させる

失業者の雇用保険返還金、労働局元職員が流用


以下、読売新聞からの引用記事です。

■ 雇用安定助成金不正受給 詐欺容疑、

●●●●県内初の立件

 

●●●●市内の会社社長ら男2人が

国の中小企業緊急雇用安定助成金を詐取した

とされる事件で、県警捜査2課と●●●●署は25日、

●●●●市、内装会社「R」の社長(仮名)(40)と

同市、社会保険労務士のペケゾウ(仮名)(32)

の両容疑者を詐欺容疑で逮捕したと発表した。

 

同助成金の不正受給を巡り、

詐欺容疑での立件は●●●●県内初。

 

●●●●労働局が3月に刑事告発していた。

 

同局は「悪質なケースには厳しく対応したい」としている。

 

県警の発表によると、

2人は2010年2~3月、

雇用の実態がない従業員延べ22人を

「休ませた」とする虚偽の受給申請を、

3回にわたり●●●●公共職業安定所に提出。

虚偽書類の作成を命令
虚偽書類の作成を命令

同助成金約380万円をだまし取った疑い。

 

社長(仮名)容疑者は「資金繰りのためにやった」と供述。

 

ペケゾウ(仮名)容疑者は

「申請はしたが、だますつもりはなかった」

と容疑を否認している。

 

ペケゾウ(仮名)容疑者は同社以外にも、

別会社で発覚した数件の不正受給事案で

代理申請していたとみられ、県警で調べている。

 

中小企業緊急雇用安定助成金の不正受給は、

県内では2011年度に26件、

約3億3580万円相当分が発覚。

 

今回は、社保労務士が関与した疑いが浮上した点や、

架空雇用だった点などから、

労働局が悪質と判断し、

刑事告発に踏み切ったという。

 

厚生労働省によると、同助成金制度は、

景気悪化の影響を受けた事業者が、

従業員を解雇せずに一時的に休業などの扱いにしたり、

教育訓練させたりした場合、

国がその手当などの一部を最大で9割補助する制度。

 

08年秋のリーマン・ショック以降、

景気悪化で中小企業が

従業員を解雇することなどを防ぐため、

08年12月に創設された。

 

申請書類を基に、

各労働局が事業計画や理由などを

通常約2か月間審査する。

 

同省の担当者は

「従業員を解雇したり、

つぶれたりする恐れがある会社を救うための制度で、

迅速な支給が原則」

と説明。

 

「書類が整っていたら、不正と見抜くのは難しい」

とこぼす。

 

対策として、

事業者が休業開始後に現地調査を行い、

本当に休業状態かを確認するなどしている。

 

しかし、膨大な申請に

審査が追いつかないのが現状のようで、

同省は

「各労働局での人員確保が目下の課題」

としている。

 

全国で11年度に判明した不正受給は

153事業所の約24億円。

 

各労働局は、

10年11月以降の申請事案で

不正が発覚した場合には、

企業名を公表するなど対策を強めている。

 

これまでに悪質なケース9件が

刑事告発されているという。