■ 第139回 雇用保険料、値上げ
3月までの給与明細と、
4月からの給与明細。
お手元にあれば見比べてみてください。
雇用保険料の金額が、
大幅に増えていることに
お気づきでしたでしょうか?
実は今年の4月から、
雇用保険料は1.5倍に
値上げされました。
月給30万円の人で、約600円です。
「1.5倍の値上げはひどいなあ・・・」
と思われる方も多いと思いますが、
もともと2009年度(2010年3月まで)
に引き下げられていた分が
戻っただけです。
しかしこの反面、
雇用保険に加入できる条件が
緩和されたり、
さかのぼって加入できる期間が
長くなったりと
加入者へのメリットも
提供されるようになりました。
この費用にあてられると考えれば、
少なくとも2年前よりは
サービスは向上しています。
ちなみに、雇用保険料ですが、
だいたい給料の1%前後となっています。
このように書くと、
少し違和感を感じる方も多いでしょう。
給料から、雇用保険を1%天引きされている、
という方はいないからです。
給料から毎月天引きされている雇用保険料は、
1%よりもグッと低い金額のはずです。
だいたいその3分の2。
0.4%ぐらいが
実際に天引きされている金額となります。
では、残りの額は誰が払っているのか?
会社です。
雇用保険料も健康保険料や厚生年金の保険料と
同じで、
社員と会社が折半して支払っています。
雇用保険料は社員と会社で、
負担割合が1対2くらいになっています。
社員が雇用保険料を
毎月500円天引きされている場合、
会社も1,000円支払っているのですね。
これはありがたい話なのですが、
会社も費用負担をする、ということで
それを嫌がって、
社員を雇用保険に加入させない会社が
多く存在する、
というマイナス側面を生み出してもいます。
もちろんこのような
「会社負担を逃れるため、
社員を各種社会保険に加入させない」
というやり方は違法です。
こういった非常識なことをやる会社が
多く存在するのは、
会社と社員の力関係に原因があります。
会社に
「社会保険に加入させて欲しい」
と要求すれば、
会社は「こいつは、うるさい奴だ」
と判断して辞めさせる方向に動きます。
社内規程がきちんとした会社に
お勤めの方は信じられないかも
知れませんが、
多くの中小企業はこのレベルです。
「正しい主張をすると、嫌がらせを受ける」
というのは、残念ながら
まだまだ一般的に見られる現象です。
もちろん、
これを「多少の辛抱は社会人なら当たり前」
などと言って放置することが
会社の増長を招いているのです。
関連記事:
■ 編集後記
2010年4月に、
健康保険料や年金保険料もバン!
と値上がりしています。
こちらは雇用保険料と異なり、
目立ってサービスが改善された部分は
ありません。
給料は上がらないのに、
引かれる額ばかりが増えていきます。
■ 第140回 8月から始まる残念なお話
失業保険の日額は、
毎年8月1日に改訂されます。
この日を境に、
失業保険の日額が
増えたり減ったりするのですね。
で、今年も改訂の時期がやってきました。
残念ながら、
今年は金額が減る方向で
決定されています。
例:45歳以上60歳未満の場合
●最低額 1,640円 →1,600円
●最高額 7,685円 →7,505円
平均給与などを加味して
改訂額を決めますので、
昨今の給与事情を考えると
仕方ないところかも知れません。
日額だとわずかな額ですが、
これに受給日数全体をかけてみると
馬鹿にできない額になります。
少し残念な話ですね。
関連記事:
■ 編集後記
前回のメルマガでは、
雇用保険料、
つまり払う方の金額が
値上げされたお話をしました。
払う方は高くなり、
もらう方は安くなる。
どうも、失業保険も
締め付けが厳しくなってきています。