雇い止めが解雇になる場合も

「次回の契約を更新しないから、

今月末で辞めてね」

 

契約社員など、

数ヶ月、あるいは数年おきに

契約を更新しながら

働いている場合、

会社から一方的に

このように切り出されることが

あります。

 

このような場合に、

「契約が終了したのだから

仕方ない・・・」

などと納得しては

いないでしょうか?

 

もしそうなら、

泣き寝入りをしていることに

なります。

 

このように、

会社が一方的に契約の更新を

拒絶して

「有期契約の社員」

を辞めさせることを

雇い止めといいます。

 

「有期契約の社員」

とは、

例えば3カ月更新、1年更新といった

具合に期間を定めて雇用されている

契約社員、アルバイト、パートを指

します。

 

この場合、派遣社員は含みません。

派遣社員の場合、

雇い主が派遣元の会社に

なりますから、

これとはまた

別の取り扱いとなります。

 

誤解しやすいところですので、

派遣社員で働いている方は

注意してください。

 

話を雇い止めに戻すと、

この雇い止めも、

無制限に認められている

わけではありません。

 

例えば、

何回も更新を繰り返していて

労働者がその仕事から得られる

給与に頼って生活している場合、

会社が一方的に

雇い止めをしてしまうと、

その人は来月からの

生活に困ってしまうからです。

 

このため、雇い止めといっても、

一定の条件を満たしている場合は

解雇と同じように

安易に行うことは

違法とされています。

 

つまり、解雇同様、

会社の気分次第で

自由に社員を切る

といったことは

許されていないのです。

 

しかし会社側もこうした

制限を分かっていないことが多く、

社員側も「そんなものか」

「契約社員だから仕方ない」

で深く考えずに

受け入れてしまっているのが

現状です。

 

労働者側が何も言わないと、

会社は際限なく

横暴になっていくだけです。

 

泣き寝入りは避けましょう。

 

■退職勧奨は、強制できない

退職勧奨という言葉は、

どなたでも一度は

耳にされたことがあると思います。

しかし、

この退職勧奨の意味を

理解できている人は少数派です。
退職勧奨と解雇の区別

がついていないことが多いのです。

退職勧奨の定義とは会社が

「社員が、自分から辞めるように

勧める」ことです。

この場合、退職金の割増など、

一定の優遇措置がとられることが

普通です。

しかし、

退職勧奨はあくまで会社が

退職を持ちかけることであって、

会社が退職を強要することは

できません。

会社に認められているのは、

退職するように提案、

説得するところまでです。

世間ではこれを

誤解している会社が極めて多く、

退職強要の域にまで達することが

日常茶飯事です。

このような強迫まがいの

退職勧奨をされて

仕方なく応じた場合、

退職の意思表示は無効となります。

自分の自由な意思で

退職に応じたわけではなく、

実質的に

退職を強要されているからです。

それどころか、

会社側は刑法犯罪に問われる

可能性すら出てきます。

では、退職勧奨(合法)と

退職強要(違法)の境目は

どこにあるのでしょうか?

総合的に判断されますので、

はっきり「こうだ」

と断言することは難しいのですが、

辞めさせようとして

日常的に暴言を吐きかけられた…

といったような場合、

脅迫的な退職強要といえます。

具体的には、

「お前に居場所はない。

次を考えろ」

「お前のような無能を

部下に持った俺の気持ちも考えろ」

などといった言葉です。

こういった暴言を、

日常的に個室に軟禁されて

あびせかけられたら

どうでしょうか。

普通の人間でしたら、

精神的に堪えられなくなります。

このような状態で「辞めます」

と退職を申し出たとしても、

それは

「誰からも強制されず、

自分で意思決定した」

とはいえないのです。

繰り返しますが、

退職勧奨では、

退職を強要することはできません。

もし、退職する気持ちがない

のであれば、

「私は辞める気はありません」

ときっぱりと断るべきです。