再就職してもハローワーク

1.再就職してもハローワーク1

再就職先が決まったら、もうハローワークには用はない・・・

そう考えてしまう人も多いでしょうが、安易にそう結論づけてしまうのは危険でもあります。

再就職を黙っているのはダメです。
再就職を黙っているのはダメです。

なぜかというと、就職先が決まったのにそのまま失業保険を受給し続けていると、不正受給となる可能性があるからです。

よって、再就職が決定した場合は、ハローワークへの届け出をしっかりと行っておく必要があります。

再就職が早期に決定した場合・・・具体的には、求職者登録をしたが、受給資格が認定される前に再就職先が決まった場合について見ていきます。

上記の場合、失業保険の受給資格を得る前に再就職先が決定した形になっています。

早い話が、失業保険を1円ももらっていない状態です。

この場合は、再就職先で雇用保険の加入手続きをとることで、雇用保険の加入期間が継続することとなります。

簡単にいうと、前の会社での雇用保険加入期間と、再就職先での雇用保険加入期間を通算することができるのです。

これには、面倒な手続きは必要ありません。
単に、雇用保険被保険者証を再就職先の会社へ提出するだけです。

ひとつ注意点です。

再就職先が決まったからといって、失業時に届いた書類をすぐに処分してしまう人がいます。

しかしこの場合、再就職先をすぐに辞めてしまった場合に困ることになります。

失業保険をもらうにあたって、前の会社の離職票が必要になるからです。

一応、ハローワークで雇用保険の加入履歴をたどってもらうことは可能ですが、申請手続きが増えてしまい、非常に面倒です。

 

2.再就職してもハローワーク2

1で、再就職しても、ハローワークへ行くことを安易に止めてしまってはいけない、と書きました。

再就職したことをハローワークに伝えないまま、再就職先の会社で雇用保険に再加入すると失業保険の不正受給になるからです。

チクられると大変なことに。
チクられると大変なことに。

さて、1.に引き続き、時系列順で再就職先が決まった場合の手続きを見ていきましょう。

●7日間の待機期間か、3ヶ月の受給制限期間中に再就職先が決まった場合

これも、失業保険を1円ももらっていない時点で、再就職が決定した場合です。

失業保険の給付日数が多く残っているため、申請すれば再就職手当をもらうことが可能です。

なお、この「失業保険を1円ももらっていない時点」というのは、失業保険の支給対象となる期間が始まっていない、という意味で実際に受け取ったかどうかではありません。

例えば、倒産で退職した場合、7日間の待機期間が終了した8日目から失業保険の支給対象期間がスタートします。

しかし、実際に最初の失業保険がもらえるのはそこからさらに3週間後です。

「失業保険を1円ももらっていない時点」はあくまで7日目までで、8日後以降は該当しませんので注意してください。

8日目以降が経過した場合は、後日であっても失業保険が振り込まれるからです。

このへんはややこしいのですが、要は「失業保険をもらう権利が発生しているか否か」で考えると比較的分かりやすいでしょう。

「すでに失業保険を受け取っているかどうか」は基準にならないのです。

3.再就職してもハローワーク3

2.に引き続き、時系列順で再就職先が決まった場合の手続きです。

今回が最後です。

●失業保険の支給が始まってから、再就職先が決定した場合

すでに失業保険の支給が開始されている場合、再就職が決定した後、次に来る失業認定日に就職先が決まったことを忘れずに報告しておきましょう。

届け出は迅速に。
届け出は迅速に。

再就職先が決まっているのに、ハローワークに何も報告せず次の「失業認定日」を経過してしまうと不正受給扱いにされる恐れが出てくるからです。

次に、再就職先への勤務がスタートした後にもやるべきことが残っています。

再就職先で働き始めた後、会社から採用証明書を受け取っておきましょう。

その後、次に来る失業認定日の前日までに、雇用保険受給資格者証、失業認定申請書を添えてハローワークの窓口に提出します。

これらの書類提出の期限は、失業認定日ではなく、「その前日」であることに注意してください。

この手続きが済めば、ひとまず終了です。

出社を始めた後に来る失業認定日が最終の失業認定日として扱われますが、その日にはもうハローワークに出向く必要はありません。

最後に支給される失業保険ですが、再就職先への出社がスタートする前日分までが振り込まれます。

失業保険の支給残日数が多く残っている場合、再就職手当がもらえることもありますので忘れずに申請しておきましょう(もらえる条件などは、次項で説明します)。

なお、「再就職」とは、会社員になることだけを指すわけではありません。
公務員や団体の職員になる場合も当然含みます。

また、会社の役員となった場合や自営業をスタートさせた場合も同様で、再就職として扱われます。

「確かに自営業を始めたが、まだ収入がないので失業保険がもらえるはず」
などという主張をする方がたまにおられます。

しかし、こうった言い分は「短時間労働の自営業をしつつ再就職活動を継続する」など、かなり厳しい条件を満たしている場合以外は認められません。

 

4.まとめ

・再就職したら、ハローワークに忘れずに届け出る。もう用無し、と思って放置していると、失業保険の不正受給になる危険がある。

・失業保険は、再就職先へ出社する前日分まではもらえる。つまり、再就職したことを早めにハローワークに申請しても、損することはない。