失業保険の初回手続きと受給説明会

1.失業保険の初回手続き

必要書類が全部そろったら、失業保険の申請に出かけましょう。

ハローワークというのは、失業するまではなじみがない場所です。

そのため、初めて訪れるには緊張するかも知れません。

しかし、ハローワークでの初回手続きはさほど難しいものではありませんので、身構える必要はありません。

さて、ハローワークに到着したら、まず「求職申し込み」を行います。
これは、「私は今仕事を探しています。希望する条件はこれこれこういったものです」というデータをハローワークに提出することです。

今までに経験してきた仕事なども書き入れる項目がありますので、可能なら事前にある程度まとめておくとスムーズに書類が完成します。

なぜ、希望する仕事や条件を書かせるのかというと、ハローワークが求職者と求人情報をマッチングさせて、仕事を紹介するためです。

この段階では選択肢を広くしておく方が無難ですから、あまり職種などは絞らないようにしましょう。

条件なども、あまりに現実離れした条件を書くと、ハローワークの職員から修正依頼をかけられてしまうことがあります。

「以前よりよい条件の仕事に就きたい」
というのは全く構いませんが、「前職の倍の給料を希望する」などといった非現実的な希望は避けて下さい。

さて、求職の申し込みが終わったら、後は雇用保険の窓口に行って失業保険の受給手続きをしましょう。

ハロワの人と面談です。
ハロワの人と面談です。

会社都合退職を狙う人は、ここが勝負どころです。

退職理由について確認がありますから、会社から示された退職理由に納得いかない場合、異議を申し立てましょう。

さて、手続きが終了したら、説明会の日程を指定されて(1週間後のことが多いです)、初日の手続きは終了となります。

 

2.失業保険は何日後にもらえる?

ハローワークで失業保険の受給手続きをしたら、後は手当が振り込まれるのを待つだけ・・・

というわけには、もちろんいきません。

無事に失業保険の支給が始まるまでには、まだ超えなければならないハードルがいくつか残っています。

今回は、失業保険をもらうまでに必要な手続きを見ていきましょう。

初回手続きから7日間は、「待機期間」と呼ばれます。

この期間は、失業状態で過ごす必要があります。
つまり、この期間に再就職を決めてしまうと、失業保険は1円ももらうことができません。

この待機期間が終了してから、やっと失業保険のカウントが始まります。

失業保険は4週間サイクルで支給されますが、初回は待機期間(失業保険がもらえない期間)を含むため、3週間分の支給となります。

また、すぐに失業保険の支給対象となるのは会社都合退職となった人だけです。

自己都合退職の場合は、そこからさらに3ヶ月の受給制限期間を過ごさなければなりません。

今まで見てきたことをまとめると、下記のようになります。
●会社都合退職の場合・・・初回手続きから4週間後(初回は3週間分の支給)
●自己都合退職の場合・・・初回手続きから4ヶ月後

自己都合退職=初回支給が4ヶ月後に。
自己都合退職=初回支給が4ヶ月後に。

なお、実際に失業保険をもらうには漫然と過ごしているだけではもちろんダメで、所定の回数の求職活動を行う必要があります。

また、4週間に1回設定される、失業認定日に出席しておくことも必須です。

仮に失業認定日を欠席すると、その前4週間の失業保険はもらえず、支給は先送りとなってしまいます。

3.失業保険の受給説明会

初めてハローワークで失業保険の受給手続きをして、1週間程度で開催されるのが受給説明会です。

この説明会では、失業保険の受給方法や、求職情報の探し方、職業相談の手続きなどについて説明されます。

個別に説明するわけではなく、大勢を一箇所に集めて説明します。
学校の授業のような雰囲気だと思えばよいでしょう。

ここで特に気をつけて聞いておきたいのが、「求職活動は、何回しなければならないのか」という点です。

失業保険は、4週間サイクルで支給されますが、それには毎回決められた回数の求職活動をこなしていなければなりません。

この回数は、地域によって差があります。

甘いところだと1回でいいのですが、厳しいところだと3回。標準的には2回といったところです。

また同様に、「何をすれば求職活動の実績として認められるのか」についてもしっかり聞いておきたいところです。

何が求職活動の実績として扱われるのか?についても地域によって差があるからです。

甘いところだと、ハローワーク端末で求人情報を検索しただけで求職活動1回とみなされます。

一方、厳しいところだと、企業への応募や就職セミナーへの参加をしないと求職活動の実績となりません。

これは4週間ごとに義務づけられますから、かなり大きな差になって出てきます。

もし、退職後に転居を考えている場合はその地域のハローワークが甘いか厳しいか調べてから引っ越しの時期を考えるてもよいでしょう。

なお、この説明回では、失業保険の不正受給について繰り返し注意されます。

「アルバイトをしても必ず発覚する」「失業保険を3倍返ししてもらうことになる」
といった脅しともとれる言葉を並べられます。

しかし、特に目新しい情報が伝えらえることもありませんので、重要度は低めです。

さて、失業保険の受給説明会では、重要な書類を手渡されます。

「雇用保険受給資格者証」と「失業認定報告書」のふたつです。

これらの書類は、失業保険を受給している間はずっと使うことになる書類です。

なくさないよう、きちんと保管しておきましょう。

●雇用保険受給資格者証

「失業保険をもらう資格がある」ことを証明する書類です。

退職したときのデータや、失業保険に関わるデータが、事細かく記されています。

・退職年月日
・退職理由(二桁のコードで表記されます)
・基本手当日額(1日あたり、失業保険をいくらもらえるか)
・所定給付日数(失業保険を何日もらう資格があるのか)

雇用保険受給資格者証には、初めての手続きのときに持参した証明写真が貼り付けられます。

いわば、本人確認書類です。

これは、失業認定日に本人が来ているのかを確認するためです。

失業認定日の都度、この雇用保険受給資格者証で本人確認されますので、途中で紛失すると大変なことになります。

●失業認定報告書

失業認定日の前日まで、どのような求職活動を行ってきたのかを報告するための書類です。

また、アルバイトや内職で収入を得た場合は、その日付と労働時間、得た報酬を報告する義務があります。

ここに書かれた求職活動の内容が、ハローワークが要求する条件に満たない場合、失業認定されませんので前日までにしっかりこなしておきましょう。

この失業認定報告書、もう一方の雇用保険受給資格者証に比べると紙質も粗末なことが多く、あまり重要な書類に思えないかも知れません。

しかし、雇用保険受給資格者証同様、この書類を紛失してしまったら失業保険がもらえません。

専用のクリアファイルを用意するなどして、しっかり保管するようにしましょう。

4.まとめ

・失業保険の手続きに行くと、希望職種などを聞かれる。その場で考えると手間取るので、ある程度考えをまとめておくとよい。

・手続きをしてから1週間前後で、初回説明会が開催される

・失業保険が初めてもらえる時期は、会社都合退職の場合で初回手続きから4週間後、自己都合退職の場合で4ヶ月後が目安。

・失業保険の受給説明会は、必ず出席する。

・1ヶ月(正確には4週間)に必要な求職活動の回数や、求職と認められる活動内容についても説明があるので聞き漏らさないようにしたい。