1.退職後の年金手続き
この記事では、
年金の手続きについて見ていきます。
まず第一のチェックポイントは、
年金手帳がどこにあるか?です。
「そんなの、自分で持っているに決まっているのではないですか?」
と考える人が多いと思いますが、実はそうではありません。
入社時厚生年金の加入手続きを行なった際、
そのまま会社で保管している場合があるからです。
普段、必要になる書類ではないので
意外と手元にないことに気づかないのです。
手元にないのであれば、
会社に保管されている可能性が高いですから、
人事の担当者に問い合わせてみましょう。
万が一、
返還されているはずなのに自分のところで見つからないようであれば、
再発行手続きを行う必要があります。
次に、退職後の手続きですが
これは年齢によって2パターンに分かれます。
60歳未満の場合は退職日の翌日から14日以内に、
居住している住所を管轄する市区町村役場の国民年金課で加入手続きを行います。
また、60歳未満の配偶者を扶養に入れている場合は、
配偶者も国民年金に加入する義務が発生します。
国民年金(まだ保険料を支払う側の場合)
の手続きについては、別項目
で詳しく解説してあります。
一方、60歳以上の方の場合、保険料を払うのではなく、
もらう方面の手続きが必要になります。
日本年金機構の各所窓口に相談してみましょう。
年金事務局という名称で、各市区町村に窓口が設けられています。
もうひとつ。
会社が厚生年金基金に加入している場合、
厚生年金の年金手帳と同様に厚生年金『基金』
加入員証という書類が交付されているはずです。
これも年金手帳と同様に、
社員に返す場合と、会社で預かっている場合があります。
手元にあるか確認して、
なければ人事の担当者に相談してみてください。
厚生年金基金に関しては、
窓口は年金事務局ではありません。
退職後に、
加入している厚生年金基金から書類一式が送られてきます。
その書類にしたがって受給手続きを行ないましょう。
2.退職後の税金
会社を辞めたら、
税金の手続きも全て自分で行う必要があります。
しかし、退職金については、
事前に手続きをしておけば
自分で確定申告など余計な手間をかけなくても済みます。
「退職所得の受給に関する申告書」
という書類を会社の提出しておけば、
退職後に確定申告をして
自分で税金を納めるといった手続きが不要になります。
この手続きをせず、
しかも自分で確定申告もしないとなると
脱税に該当してしまいますので絶対に避けて下さい。
退職後の手続きですが、
所得税に関しては、退職したあと年内に再就職しない場合に限り、
確定申告を行わなければなりません。
所得税の場合は、
確定申告をしなかったからといって
税務署からにらまれるといったことは起こりにくいです。
なぜかというと、
会社は毎月の給与から多めに所得税を引いていますので、
すでに十分な所得税を納付済みになっていることが多いからです。
この、多めの所得税は
毎年年末調整として精算されて返還されています。
とはいえ、確定申告はされておいた方がお得です。
その理由は、別項目
に詳しく書いていますので、
興味がおありの方はご参照ください。
次に、住民税です。
こちらは少し複雑ですが、
退職時期によって大きく取り扱いが異なってきます。
退職日が1月から5月末までの場合
→ 会社で5月分までをまとめて給与天引き
退職日が6月から12月末までの場合
→ まとめての天引きいはなし。
退職後、納付書が市区町村役場から送られてきますので、
その納付書を元に自分で住民税を納付することになります。
制度上は、
一括で給与天引きすることも可能です。
あまりいないとは思いますが、
希望者は経理担当者と相談されてみてください。
3.まとめ
・退職後の年金手続きには年金手帳が必要。
手元にあるか確認しておきたい。
・退職後の税金は、自分で確定申告をする必要がある
・所得税は、むしろ払いすぎているため
確定申告をしなくても問題になりにくい
・住民税は、退職時期によって事務処理が異なる