1.失業保険の計算
失業保険をもらえる条件の次に気になるのは、
失業保険がいくらもらえるかでしょう。
失業保険をもらえる条件については、
前回の記事
の2.の項目をご覧ください。
失業保険の総支給額は、
「基本手当日額×所定給付日数」
で計算できます。
基本手当日額というと分かりにくいですが、
簡単にいうと失業保険を1日あたりいくらもらえるかです。
その基本手当日額の計算は簡単です。
まず原則
退職前6カ月の給与合計額を
180で割って出てきた額が賃金日額です。
この計算に使う給与には、ボーナスなど、
臨時に支給されたお金は含まれません。
しかし、役職手当や住宅手当、交通手当などの
各種手当については給与の額に含まれます。
ボーナスの計算である「給与●ヶ月分」は
基本給が元になっている会社も多いので
手当は含まれないと考えてしまう人もおられますが、
きちんと含まれます。
といっても、出てきた額が
そのまま基準になるわけではありません。
賃金日額は上限と下限があるからです。
その上限や下限に引っかかる場合には、
上限額・下限額が賃金日額とみなされます。
賃金日額が出たら、
給付率をかけて基本手当日額を計算します。
次に所定給付日数ですが、
これは退職理由と雇用保険の加入期間によって決まります。
65歳以上で退職した場合はこの計算はせず、
一時金をもらって給付終了となります。
なお、多くの方がミスしてしまう
注意点がありますので補足しておきます。
失業保険を受給可能な期間は、
退職日の翌日から1年間という制限があるということです。
この期間を受給期間といい、
受給期間を過ぎてしまうと、
所定給付日数がまだ残っている状態であっても、
失業保険は打ち切られてしまうのです。
例外として、病気、出産、介護などの正当な理由があって
すぐに就職活動ができない場合に限り、
受給期間を延長できます。
この場合も
ハローワークで事前に申告が必要です。
出産・育児でもらえる給付金については、
別項目
をご覧ください。
フル活用すれば、
家計に大きな助けとなります。
2.失業保険をもらう手続き
この記事では、
失業保険を受給する際の手続きを見てきましょう。
失業保険の受給手続きに必要不可欠なのが、
雇用保険被保険者証と離職票のふたつの書類です。
会社を辞める前に、
雇用保険被保険者証があるか確認します。
もし手元にない場合は、
会社で預かっているか紛失しているかのどちらかです。
会社で預かっている場合は
返還してもらいましょう。
紛失した場合は、
会社を通じて再発行の手続きを踏んで下さい。
次に、離職票です。
これは、退職後に作られる書類ですから、
在職中に入手することはできません。
雇用保険法上、
退職から10日以内に
退職者に送付されることになっています。
実際にはちょっといい加減な体質の会社だと、
遅れることが多々あります。
しかし、これは大きな問題にならないだけで
立派な雇用保険法違反です。
遅れた場合は、
遠慮なく会社に請求しましょう。
黙っていると、
どんどん優先順位を下げられてしまいます。
離職票が届いたら、
まず賃金額と離職理由を確認します。
体質がブラック企業に近い場合、
離職理由は勝手に変更されていることがありますので
特に注意です。
離職票の入手後、可能な限り早めに、
自宅の住所地を管轄するハローワーク
に出向いて求職登録を行いましょう。
求職者登録に必要な書類を下記にあげておきます。
1.雇用保険被保険者証
2.離職票
3.身分証
(住民票か運転免許証など住所を確認できるもの)
4.印鑑
認め印で構いませんが、シャチハタは認められていません。
5.顔写真(縦3cm×横2.5cm程度)
離職票に必要な金融機関の振込口座の証明印は、
預金通帳を持参することで代用可能です。
3.まとめ
・失業保険の1日あたりの金額は、
退職直前、180日の給料が基準
・失業保険をもらえるのは「退職から」1年。
手続きをしてから1年ではないので注意
・失業保険をもらう手続きには、
雇用保険被保険者証と離職票が必要。
・離職票は退職後10日以内に会社から送付
・10日以内を守らない会社は多い。
遠慮なく請求すること