1.寿退社をしたら、失業保険はもらえないのか
寿退社。
結婚を機に、会社を辞めることです。
おめでたいことですが、
不思議な俗説が世の中には蔓延しています。
「寿退社をしたら、失業保険はもらえない」
これは正しいとも、間違っているともいえません。
場合によります。
というのは、
寿退社したかどうかなどは、
失業保険がもらえるかどうかの結論には
実は影響しないからです。
失業保険がもらえる条件のひとつに、
「就職しようと思えば、
いつでも働き始めることが可能」
「ハローワークに指定された回数、
求職活動をする」
というものがあります。
つまり、寿退職した後、
「しばらく専業主婦をやります。
働く気もありません」
という場合は、失業保険はもらえません。
いつでも働き始めることが可能
な状態ではないですし、
求職活動もできないからです。
これとは逆に、寿退社をしても
「元の会社には地理的に通えなくなったけど、
仕事はすぐにしたい」
といった場合は、
失業保険をもらう資格があります。
いつでも働き始めることはできますし、
求職活動もできるからです。
寿退社をすると失業保険をもらえない・・・
などと思い込んでしまうと、
もらえるはずだった失業保険を
もらわないまま受給資格を無くしかねません。
うわさ話程度のことを、
疑いもなく信じ込んでしまうと
大損してしまうのです。
2.後から気付いてもダメ
寿退社したとしても、
すぐに再就職するつもりであれば、
失業保険がもらえる
ということは分かりました。
では、
寿退社=失業保険をもらえない
と勘違いしていた人が、
途中で気付いて手続きすれば、
失業保険をもらえるのでしょうか?
答えは、
「手続きが、退職後1年以内かどうか」
によって変わってきます。
失業保険を受給できるのは、
前の会社を辞めてから1年という期限
が設けられているからです。
失業保険をもらう手続きをしてから1年、
と考えている人が多いのですが、
それは正しくありません。
前職を退職した翌日から
1日目のカウントが始まり、1年に達すると
失業保険の受給資格は消滅します。
仮に、失業保険を受給している最中で、
受給日数が残っていても打ち切りです。
また、自己都合退職扱いになっている場合、
3ヶ月の受給制限期間もついてしまいます。
失業保険をもらえる期間について、
より詳しくは下記の記事をご参照ください。
こうなると、
退職から半年以内に手続きしておかないと、
失業保険をもらい損なう計算です。
※内訳は、次の通り
失業保険をもらう日数=90日
失業保険が出ない受給制限期間=90日
このように、
ちょっとした勘違いで
数十万円単位の失業保険
をもらいそこなっている人は、
結構な数になります。
ハローワークに行かない限り、
「失業保険もらえますよ」
「早く手続きしないと期限切れになりますよ」
などとは教えてもらえません。
事前に情報収集をしておくことの重要性が
お分かりいただけるかと思います。