1.雇用保険の加入期間、通算するといいことある?
失業保険をもらうためには
「半年、あるいは1年以上の雇用保険加入期間」
が必要であることは前にお話ししました。
では
・雇用保険の加入期間が足りない
・しかし、すぐ辞めたくて仕方がない
・転職先はまだ決まっていないので、失業保険はもらいたい
といった場合、何か有効な手段はないでしょうか?
全員が使えるわけではありませんが、解決策はあります。
それは、
「雇用保険の加入期間を通算すること」
です。
雇用保険の加入期間というのは、
単一の会社での期間に限定されません。
以前勤めていた会社で加入していた期間も、
通算することができるのです。
合計することで失業保険がもらえるようになる、
あるいは失業保険の受給日数が増える
という場合であれば、非常に有効な手段になり得ます。
ただ、この「雇用保険加入期間の通算」。
自動的に通算してもらえるかというと、
期待してはいけません。
ハローワークは雇用保険の加入期間のデータを持っていますので、
調べれば
「その人が、どれだけの期間雇用保険に加入しているか」
は分かります。
しかし、
頼まれない限りそこまでは調べてくれません。
つまり、自分から
「以前の雇用保険加入期間も通算してください。」
と言わない限り、
「最後に勤めた会社での雇用保険加入期間」
だけで失業保険の受給日数が決められることになってしまうのです。
実際、私は
「最後に勤めた会社での雇用保険加入期間」
だけで計算されてしまいました。
当時はそのへんに無知だったので、
気づかなかったのです。
受給日数が変わらない範囲だったので
影響はなかったのですが、
下手をすると
「数十万円単位」
で損をしていたかも知れません。
そして、
世の中にはこの「数十万円単位の損」をしていながら、
気づいてすらいない人も大勢おられます。
これを読まれたあなたは、
そうしたワナにはまらないようにしていただきたいと思います。
この記事には続きがあります。
引き続き、
へどうぞ。
2.Q&A
Q.このたび、会社を辞めることになりました。
幸い、次の仕事が決まっています。
ここで質問です。
会社から、
「離職票を出すと、雇用保険の加入期間が通算できなくなるから、
発行しない方がいいですよ」
と言われています。
失業保険を受給しなければ、
離職票を出してもらったとしても
雇用保険加入期間は通算できる、
という理解でいたのですが、
間違っていますでしょうか?
A.結論から申し上げますと、
会社の説明は全くのデタラメです。
離職票を発行したら、
その時点で
【雇用保険の加入期間がゼロにリセットされる】
かのような説明をしていますね。
このようなことは全くありませんので、
ご安心ください。
失業保険の受給をしたり、
再就職手当をもらったりしなければ、
雇用保険の加入期間は通算できます。
もらった場合に、
その時点でゼロにリセットされます。
会社がどのような意図で、
「離職票を出すと、雇用保険加入期間が消える」
という説明をしたのかは不明です。
単に無知なだけなのかも知れませんが、
実際は手続きが面倒くさいだけ、
という可能性が高そうです。
会社は、辞めていく社員には
金も払いたくないし、
労力も使いたくない、
という冷酷な本音を抱いています。
長年勤めていた会社に、
辞めると言ったとたんに
異常に扱いが冷たくなった、
などという話はいくらでもありますから。
話がそれました。
何にせよ、今回のケースだと
ご心配されているようなことは、
一切起こりません。
安心して離職票を受け取って下さって、
大丈夫です。