1.ボーナスから、雇用保険料は引かれてしまうのか?
※2016年8月25日更新
ボーナスの季節がやってきました。
ボーナスは
まとまった現金が手に入る数少ない機会です。
当然、もらえる金額は多いに越したことはありません。
ところで、ボーナスからは、
雇用保険料は引かれてしまうのでしょうか?
結論からいうと、引かれてしまいます。
雇用保険料は、本人負担は0.4%程度ですが、
ボーナスの場合は元の金額が大きいので
結構な金額になる方も多いでしょう。
2016年の雇用保険料は
労使あわせて0.8%ですので、
本人負担分はその半分、0.4%になります。
これを、ボーナス30万円で計算すると、
1200円です。
雇用保険料の計算について
もっと詳しい情報が必要な方は
をご覧ください。
しかし、ここからが重要です。
今確認したように、
ボーナスからも雇用保険料は
容赦なく徴収されていきます。
しかし、失業保険をもらうときには、
ボーナスでもらった額は反映されないのです。
つまり、ボーナスで引かれる雇用保険料は、
何のリターンも望めない、
理不尽に徴収されるお金、
ということになります。
これはあくまでも払う側の感覚ですので
徴収する側の言い分はまた違うと思います。
しかし、毎月徴収される社会保険料の中で、
あきらかにリターンが望めないものは、
この「ボーナス時に徴収される雇用保険料」
ぐらいのものなのです。
日々の給料が低く、
ボーナスでドカッともらうスタイルの会社に勤めていると
かなり損をしてしまうことになります。
ほとんどの人は気づくこともありませんので、
嫌な気分になることが少ないのがせめてもの救いです。
といってもこのご時世ですから、
サラリーマンの方もボーナスが出ない、
あるいは寸志止まりという方も多いでしょう。
「ボーナスからも雇用保険料が引かれるなんて、
なんだか損だよなあ・・・」と悩めるだけ、
まだ良い環境で働いているのかも知れません。
2.実は昔は
1.で述べた通り、
支払った保険料と期待できるリターンで考えると、
ボーナスから雇用保険料を徴収するというのは、
かなりおかしな制度です。
失業保険の額は、
退職前6ヶ月分の給与を元に計算されます。
しかし、
この給与にボーナスは含まれません。
給料が高ければ、
当然それに応じて雇用保険料も上がります。
しかし、高い雇用保険料も、
失業保険をもらう側になったときには
それが反映されます。
つまり、高い雇用保険料であっても
リターンは望めるのです。
一方、ボーナスから徴収される雇用保険料は、
「払う側には、一切リターンが来る可能性がない」
恐ろしい社会保険料なのです。
実は、昔はボーナスからは
社会保険料は徴収されていませんでした。
所得税や地方税しか引かれていなかったのです。
しかし、2000年代に入ってから、
突然徴収されるようになりました。
払う側にメリットがもたらされる可能性が
「ゼロ」
という社会保険料というのは、
かなり問題があると思うのですが、
当時は雇用保険料の積み立て額も少なく、
手段を選んではいられなかったのかも知れません。
しかし今や失業率の低下もあいまって、
雇用保険には6兆円を超える積立金がプールされています。
いい加減、
変なところから雇用保険料を徴収するのは
止めてもらいたいものです。