1.失業者の雇用保険返還金、労働局元職員が流用
失業保険の不正受給を摘発した
労働局の職員が、
返還させたお金を横領していた
という、これまた呆れた事件です。
失業保険を横領した職員は
懲戒免職済みですが、
今回はその職員の上司などに
監督責任を取らせたという発表です。
しかし、失業保険の不正受給を
摘発している人間が、
回収したお金を自分のフトコロに入れる
というのは信じがたいです。
しかも、失業保険を横領した張本人は、
逮捕はされましたが不起訴処分です。
何とまあ、甘い処分です。
よく記事を読むと、
横領した本人が懲戒免職になった理由は
「無断欠勤」
ですね。
横領が発覚する前に退職したようです。
だからといって、
逃げ切れるはずもないのですが。
以下、読売新聞からの引用記事です。
■失業者の雇用保険返還金、
労働局元職員が流用
静岡労働局は29日、
元職員の男性(49)(懲戒免職)が
雇用保険を不適正受給した失業者からの
返還金を私的流用していたとして、
監督責任があった男性の
当時の上司ら計8人を処分したと発表した。
男性が勤務していたハローワーク浜松の
当時の庶務課長が減給10分の1(3か月)など、
4人を懲戒処分としたほか、
当時の静岡労働局長ら4人を訓告とした。
男性は同ハローワークの
雇用保険給付調査官だった
2009年7月~10年1月、
返還金6件分、
計約38万5000円を流用していた。
男性はハローワーク磐田に異動後の
10年10月から無断欠勤を続け、
11年3月に懲戒免職となった。
男性はうち1件、
約7万5000円の流用について、
業務上横領容疑で
昨年12月に磐田署に逮捕されたが、
静岡地検浜松支部は同月、
不起訴(起訴猶予)としている。
失業保険の不正受給 関連ニュース
2.失業保険の不正受給は直接取り立て
失業保険を不正受給すると、
今までにもらった失業保険を
返還しなければならない。
悪質な場合は、
さらに「3倍返し」が待っている・・・
ここまでは有名な話ですが、
返還の具体的な手順については、
さっぱり分かりません。
これは、実際に
失業保険の不正受給が見つかって、
返還を命じられた人でないと
分からない事実だからです。
1.のニュースから推測すると、
どうも「職員への直接手渡し」
という線が濃厚です。
そうでなければ、
横領を繰り返すのは難しいからです。
職員個人の銀行口座などへ
振り込み依頼したことも考えられますが、
さすがに不自然過ぎるので、
そこまでバカな手口を使ったとは
考えにくいです。
となると、
職員が不正受給者から
直接現金を取り立てしている、
という可能性が高いです。
しかし、このような
「横領しやすい」
システムにしているのも問題です。
何かの購入代金なら、
「お金を払ったのに商品が届かない」
など、すぐに発覚します。
しかし、
失業保険の不正受給からの返還金だと、
こちらに提供されるサービスや商品は
何もありません。
変化としては、せいぜい
「今後、失業保険が支給されなくなる」
ぐらいです。
目立った変化がなく、
お金を支払った人も気付きにくいため、
やろうと思えば簡単に横領できそうです。
このような制度にしているのは、
ちょっとずさんであると言わざるを得ません。
このような「ザルシステム」でも
滅多に横領が起こらないというのは、
それはそれでモラルが高い職員が多い、
ということでもありますが。
もともと横領しにくいシステムであれば、
横領しよう、と考える職員も減るわけで、
「今回の件、職員が悪人だった」
で切り捨てると
同じことを繰り返すだけです。