雇用保険不正受給 逮捕者続々 -失業保険ニュース

雇用保険不正受給 逮捕者続々


この記事は、

雇用保険不正受給で逮捕者

の続きです。


富山で発覚した、

組織的な失業保険の不正受給事件。

 

さらに逮捕者が出て、

合計は12人となりました。

 

「ちょっとアルバイトしたのを

申告していなかった」

などという個人的な出来心の

不正受給とは悪質さが段違いです。

失業保険不正受給
失業保険の不正受給は詐欺罪です

組織的に失業保険を

詐取しにかかってきますので、

こうなると詐欺罪で前科がつくのは

当然といえます。

 

この手の組織的な

失業保険の不正受給事件。

 

だいたい、末端の人は

「知らなかった」「命令されただけ」

といって逃げようとしますが、

逃げられるわけがありません。

警察の捜査
警察の捜査の手が伸びる

以下、チューリップテレビの報道から引用です。

 

雇用保険不正受給事件で、

また逮捕者です。

 

失業給付金に加え、

公共職業訓練の受講手当などを

だましとった詐欺の疑いで、

富山中央警察署は9日、

富山市の団体職員・八ツ橋望美容疑者(27)

を逮捕しました。

 

八ツ橋容疑者は経営実態のない会社を

解雇されたなどとして、

総額およそ104万9000円余りを

不正に受給していました。

 

八ツ橋容疑者は容疑を認めているということで、

一連の不正受給事件での逮捕者は

これで12人になりました。

 

2.ちょっと解説

ニュース記事の文中に、

失業給付金に加え、

公共職業訓練の受講手当などを

だましとった

という記述があります。

 

これは、解雇されたとウソをついて

失業保険をもらっている最中に、

職業訓練を受講しているという意味ですね。

職業訓練
職業訓練そのものは良い制度です

失業保険をもらう資格がある人が

職業訓練を受講すると、

失業保険の受給日数が、

職業訓練の終了日まで延長されます。

 

つまり、解雇された・・・

とウソをついて失業保険を不正受給した

だけでは満足できなかったようです。

 

そのまま職業訓練の受講になだれこんで、

職業訓練が終了するまで、

失業保険をもらい続けた・・・

ということになります。

 

よくもまあ、

ここまでフル活用できるなとは思いますが、

組織的な犯行だったとのことですから、

グループに最低一人、

悪知恵が回る人がいたのでしょう。

 

しかし、組織的に派手にやりすぎた結果、

発覚して大量の逮捕者を出す結末になりました。

 

おそらくですが、

・同じ会社を退職した人の退職理由が、ことごとく解雇

・その人たちが、ほとんど全員職業訓練になだれこむ

という状況だったのではないかと思います。

 

利益(といっていいのか?)を最大化するには、

上記のような流れで動くのが最も効率的だからです。

 

しかし、一人がこのように動いても

特に不自然ではありませんが、

大勢の人間が判で押したように

同じ行動をとっていれば、

さすがに「おかしい」と目を付けられます。

 

しかも、同じ会社を同じ退職理由(解雇)

で辞めた人たちですから。

 

このように、組織的な失業保険の不正受給は、

大がかりであるからこそ、

「同じ会社の退職者が、ことごとく同じ行動パターン」

という不自然さが出てきます。

 

手間暇かけてダミー会社を用意するなど、

かかった費用を回収しようとやっきになるのは

分かりますが、

最終的には「欲をかきすぎて」

発覚してしまうパターンですね。

 

逆にいうと、

大がかりでなければ

発覚しにくくなることも事実です。

 

本当に頭の良い詐欺師たちは、

少人数で細く長く、

失業保険の不正受給詐欺を

やっているのかも知れません。