1.パナソニック系会社:日置閉鎖問題 34人再就職決まる 市長「早期の雇用情報を」
4月20日に取り上げた
パナソニック系列会社の
日置工場閉鎖問題ですが、
他の媒体では全く違った印象
を与える書き方がされていました。
関連記事:
こちらの報道は
「再就職先が決まった」
ことを強く印象づける書き方になっています。
同じことを報道しているのに、
受ける印象が全く違うものになりますね。
ニュースといっても、
取り上げる側の意向次第で、
印象はある程度操作できる好例だと思います。
以下、毎日新聞からの引用です。
パナソニック系会社:日置閉鎖問題
34人再就職決まる
市長「早期の雇用情報を」 /鹿児島
日置市の電子機器製造会社
「パナソニックデバイスオプティカルセミコンダクター」
の工場閉鎖問題で、
同市や県、鹿児島労働局などの
合同対策会議が19日、同市内であり、
3月末で早期退職した182人のうち、
34人が再就職したことなどが報告された。
多くの離職者は
雇用保険が切れる秋以降まで
就職活動を続けるとみられ、
宮路高光市長は
「再就職に力を入れる」と強調した。
同会議によると、
34人のうち、12人はハローワークや
財団法人産業雇用安定センターのあっせんを受け
製造業や福祉施設、サービス業に再就職したという。
自営業に転じた人もおり、
ほとんどが県内での転職とみられるという。
13日現在で、144人が雇用保険の受給手続きを申請。
秋以降に多くの退職者の保険が切れるという。
同社は8月末までに顧客からの受注見通しを確定し、
9月以降に生産体制の本格的な見直しを始める方針で、
協力工場への影響も大きくなる可能性がある。
宮路市長は
「9月以降、難しい雇用体制に突入すると思っている。
会社に対してはなるべく早く
情報提供するよう求めている」と説明した。
2.工場閉鎖→ 一斉解雇
1.の記事ではパナソニックの
工場閉鎖の件を取り上げました。
この出来事からも分かりますが、
大規模な工場が閉鎖されると、
地域経済に与えるダメージは
深刻なものになります。
何より問題なのは、
「大勢の人が職を失う」
点です。
職場がなくなれば、
そこで働いていた従業員は
一斉解雇になります。
今回は閉鎖された工場の規模が
大きかったため、
大勢の失業者が生まれてしまいました。
突然、市場に出てきた労働者を
吸収するような勤務先はありません。
しかも、工場がある地域というのは、
郊外が多いです。
そのような場所は当然ですが、
あまり働き口もありません。
工場の従業員を顧客にした
店舗なども多く、
「工場がなくなったら、
こっちが廃業を考えなければならない」
という人も少なくありません。
つまり、工場を解雇された人たちを、
その地域で新たに雇う、
というのは困難を極めます。
企業は、安い労働力を求めて
工場を海外に移した結果、
地方の工場はどんどん閉鎖。
その結果、
工場を中心としてなり立っていた
地域の経済は大打撃を受けました。
「グローバル市場で競争力を
保つためには仕方ない」
という意見もあります。
しかし、雇用がなくなると、
購買力も落ちます。
その結果が、延々と続く不景気です。
結局、めぐりめぐって、
自分たちのクビを絞めている結果
になっているように思えてなりません。