就業規則改悪への、ささやかな抵抗(続) 失業保険.comメルマガ

■第20回 就業規則改悪への、ささやかな抵抗3

前回、

社長が勝手に

就業規則を変えることは反則である、

と書きました。


前回記事:

就業規則改悪への、ささやかな抵抗


でも、どうやって社長が

就業規則を改悪することを

止めればいいのでしょうか?

 

労働条件を気分次第で変えるような

社長がいる会社は、

小さな会社が多いでしょう。

 

そういう会社は

社長に権限が集中していますので、

歯向かえば先はありません。

社長に刃向かったらクビになった
社長に刃向かったらクビになりました

社長の暴走を、

自分がにらまれずに

止める方法はないでしょうか。

 

ここでひとつ、

思い出していただきたいことがあります。

 

就業規則は、

「ただ作っておけばいい」

というものではありませんよね?

 

就業規則は、

労働基準監督署に

提出しなくてはなりません。

 

ですが、暴走社長が改悪した就業規則は、

そもそも正式な改訂手続きを経ていません。

 

なので、そんなもの、

労働基準監督署に

提出できるはずがないのです。

 

とすれば、行動はひとつです。

 

現在の就業規則のコピーを持って、

労働基準監督署に出向きます。

 

そこで、

「労働基準監督署に提出している就業規則」

を見せてもらいましょう。

労基で就業規則を閲覧
ついにたどり着いた就業規則

一般的には、「就業規則を見せてくれ」

と労働基準監督署に行っても、

「まずは社内で見せてもらうように交渉しなさい」

などと言われてしまいます。


参考記事:

就業規則を見せてもらえない場合の対処法


 

労働基準監督署は仕事量の割には

少人数で仕事を回しているので、

一般人からの「面倒な仕事の持ち込み」

は、なるべく門前払いしようとします。

 

しかし、ここを突破しなければ、

話はお終いになってしまいます。

 

ここで引き下がらずに、

「突然、労働条件の改悪があった」

「届け出されているかどうか確認したい」

などと理由を述べましょう。

 

ひとつ補足しておきますと、

就業規則の閲覧には、

「その会社の社員であること」

を証明する必要があります。

 

社員証なんかを持っていけば

「社員であること」

を証明できます。

 

社員証が発行されていない会社に

お勤めの場合は、

給与明細など、

何らかの形で

「その会社に勤めていること」

を立証しなくてはなりません。

 

身分証明書が免許証だけ・・・

という状態で労働基準監督署に乗り込んでも、

無駄足になる可能性が高いです。

 

ここは注意してください。

 

さて、様々なガードを突破して、

ようやく就業規則を閲覧することが

できました。

(何で、そこまで苦労しなければならんのだ、

というのが正直なところです)

 

そこで就業規則に矛盾を発見したら、

その場で労働基準監督署に告発するのです。

 

現実の労働条件が、

就業規則に定められた条件よりも悪ければ、

それは告発理由になるからです。

 

告発者の名前は匿名にしてもらえます

(バレて問題になったこともありますが・・・)。

 

就業規則の改訂すらしていない場合は、

「あらゆる手当てがカットされた」

悲惨な給与明細を持っていくだけでも

「労働基準監督署に提出している就業規則」

との矛盾を証明できるでしょう。

 

要は、

「公に出している内容」と「社内の実態」

がかけはなれていることを証明すればいいのです。

 

多くの企業が賃下げに必死になり、

手当をカットしていますが・・・

待遇悪化には適法な手続きが必要
待遇悪化には適法な手続きが必要

はたして、その手当カットは

「正当な手続きを経て」

カットされたのでしょうか?

 

「あなたの会社にある就業規則」と、

「労働基準監督署に提出している就業規則」

は同じ内容なのでしょうか?

 

調べてみると、

とんでもないことが分かるかも知れません。