■ 第32回 会社をすぐ辞めると地獄を見る?
今年の10月から、
改正雇用保険法が施行されます。
今までは、週当たりの労働時間で
失業保険の受給資格が
生じる期間が違っていました。
このメルマガの第5号でも解説していますが、
大まかには次のようになります。
●週30時間以上の労働
・・・勤務半年で失業保険がもらえる
●週20時間以上~30時間未満の労働
・・・勤務1年で失業保険がもらえる
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それが、今後は労働時間に関係なく
失業保険の受給資格が発生するようになります。
週20時間未満の労働時間の方は、
変わらず失業保険の対象外です。
パートタイマーの場合、
1年勤めていないと
失業保険をもらえませんでした。
それが今年の10月以降は、
勤務半年でも
失業保険をもらえるようになります。
ですが・・・これはあくまでも
会社都合退職した場合の話です。
自己都合退職の場合、
勤務1年以上でないと
失業保険をもらえなくなります。
今までは、フルタイムで働いていれば
半年でもらえていたのに、
1年になるのです。
つまり、今までは
労働時間で区別していたのが、
退職理由で区別されるようになります。
入社半年で辞めてしまえば、
失業保険は1円ももらえません。
会社をすぐ辞めると地獄を見る時代が、
ほんの半年後に迫っています。
このことを知らず、
「もう半年勤めたから、失業保険あるよな」
などと言って辞表を出すと、
取り返しがつかなくなります。
今年の10月以降、
結構な数の被害者が出てくるのではないでしょうか。
あてにしていたお金が
1円も入ってこないとなったら、
かなり深刻です。
知っているか知らないか。
これだけの差で、
大きな金額の差になって返ってきます。
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2.Q&A
Q.半年間アルバイトをしていて、
このたび辞めました。
アルバイトでは、
雇用保険に加入していませんでした。
しかし、それ以前に5年弱、
雇用保険に加入していた時期があります。
このときの失業保険はもらえませんでしょうか?
A.いただいたご質問だけだと、結論が出ません。
ですので、場合分けして回答しますね。
1.アルバイトで、
「本当は
雇用保険の加入条件を満たしているのに、
加入させてもらっていなかった場合」
この場合、アルバイトの半年間を、
雇用保険の加入期間にプラスできます。
後から加入する手続きが必要になり、
その点は面倒です。
しかし、もし通算することで
雇用保険の加入期間が5年を超えたら、
失業保険をもらえる日数が一気に増えます。
失業保険をもらえる日数が倍になったりと、
大きな差額になりますので、
確認する価値はあります。
2.アルバイトで、
雇用保険の加入条件を
満たしていなかった場合
週の労働時間が
20時間未満だったような場合です。
この場合でも、前職での
雇用保険の加入期間
を利用して
失業保険の受給が可能です。
気をつけていただきたいのが、
失業保険の日額に影響が出てくる点です。
アルバイトの期間が、
雇用保険の加入期間に算入されない場合。
この場合は、失業保険の日額は
「前職で勤めた、最後の6ヶ月分の給与」
を基準に算定されます。
一方、アルバイトの期間が、
雇用保険の加入期間に算入される場合。
アルバイトで過ごした半年間の給与をもとに、
失業保険の日額が計算されます。
一般的には、正社員としての給与の方が
アルバイトの給与より高いでしょうから、
失業保険の日額に関して言えば、
アルバイトの期間を算入しない方が有利です。
ただ、今回のケースだと、
雇用保険の加入期間を通算することで
5年に届く見込みなので、
通算した方がトータルでは
圧倒的に得になるでしょう。