■第51回 さらに忍び寄る搾取
5月に、6月から
住民税が上がるということを書きました。
参考記事:あなたの給料、来月から減ります
6月に入ってから
各種マスコミでも大きく報道されました。
負担は増えないとの触れ込みでしたが、
実際には定率減税の廃止がありましたので
多くの方は実質増税となりました。
で、今日のお話は、
「まだ負担が増える」
という話です。
負担が増えるのは、国民健康保険です。
国民健康保険というのは、
各自治体によって
保険料の計算方法が違います。
ですが、多くの自治体では
住民税に連動します。
もうお分かりだと思いますが、
今回住民税が増えたということは、
それに連動して
国民健康保険の保険料も増えるのです。
来年会社を辞める人は、
増えた住民税と
増えた国民健康保険料の
二重の苦しみを味わうハメになります。
これでも国は、「実質負担は変わらない」
と公式コメントするのですから、
本当に国民に課している負担を
全部把握しているのか?
と疑いたくなるぐらいです。
いや、分かっててやっているんでしょうが・・・
■第52回 あなたの隣の予言者
のっけから怪しいタイトルですが、
オカルトめいた話をするわけではありません。
あなたの会社には、
「俺が見込んだ社員は出世する。
ダメだと思った社員は、やっぱり失敗する」
とか言っている上司はいないでしょうか?
そういう上司の方は、
自分は人を見る目がある
と思っていたりします。
確かに自分が見込んだ社員は出世し、
ダメだと思った社員は脱落していくからです。
ここだけ見ると、
予想通りになっているのだから
やはり人を見る目がありそうです。
ですが、ちょっと考えてみてください。
出世する社員というのは、
当然上司が決めます。
冷遇する社員も、当然上司が決めます。
これは、先を読んでいるとは言いません。
自分の予想通りに
現実を作っているだけです。
しかし、なぜか上司本人は
「自分は先を読める」
ととんでもない自信にあふれています。
さて、こういった方に嫌われると
当然悲惨なことになります。
どれだけあなたが仕事ができ、
さらに上司以外に好かれていても、
「あいつは俺が認めていない。
だから出世できる器ではない」
という決め付けで冷遇されることは
ザラにあるからです。
理由と結論が逆になっているのは
お分かりですよね。
私も、こういった上司に潰されていった人を
何人も見てきました。
ただ面白いのは、そうした人の中でも、
他の会社に転職して
あっという間に出世した人が
結構な割合でいたことです。
本当に上司の「予言」が正しければ、
その人たちはどこの会社でも
「ダメ人間」のはずです。
あなたが、もし今の会社で
冷遇されているとしても、
他の会社でも同じように低評価とは限りません。
自称「自分は人を見る目がある」
上司に人生を狂わされないようにしてください。
その人は、必ずしも
先を読む力があるわけではありません。
単に部下を評価する
「権限」を持っているだけです。
■ 編集後記
今回紹介した、
自称「人を見る目がある」上司には
面白い共通点があります。
「会社を辞めて、
さらに悲惨な職場に行った」
元社員のことは好んで語りますが、
「他の会社に転職して、出世した」
元社員のことには
一切触れようとしないのです。
こういう態度を見ていると、
本当は自分に人を見る目なんかない・・・
ということに気付いているような気もしますが、
不思議と態度を改めることはありません。
「人間は見たいものしか見ない。
見たくないものを全部見ると気が狂うからだ」
といった人がいますが、まったく同意です。