■第58回 会社とケンカして辞めたら・・・
私のところに寄せられるご相談で、
多くの方が不安に思われていることがあります。
それは、
「会社とケンカして辞めたら、
前職調査で不利なことを言われるのではないか」
というものです。
円満退社すれば、
次に面接に行った会社から連絡が入っても
悪く言われません。
ケンカをして辞めたら、
悪く言われてしまう可能性が
高くなるでしょう。
こういう理屈を持ち出して、
「だからおとなしく円満退社しなさい」
という会社もあります。
私には、
半分脅しているようにしか見えませんが。
では、前職調査で悪く言われないため、
我慢して円満退社するべきなのでしょうか?
答えは、「そんな必要は全くない」です。
そもそも、個人情報保護法のからみもあり、
現在では面接者に無断で
前職調査を行うことは禁止されています。
そういうことを平気で行う会社に入っても、
コンプライアンス精神0の上司に
振り回されるのが落ちです。
早い話が、
無断で前職調査を行うような会社には、
「落とされたほうがマシ」なのです。
ただこの話には例外があって、
「前職調査をしても構いません」
という同意書にサインをしてしまった場合。
この場合だけは、話が別です。
この同意書にサインをしてしまうと、
前職調査をされても
おとなしく受け入れるしかありません。
とはいえ、会社をケンカして辞めても、
デメリットは
「こういう会社に落とされてしまう可能性」
が高くなるという程度のものです。
会社が退職者を脅すときによく使う、
「どこにも再就職先がなくなる」
とは程遠い状況なのがお分かりいただけると思います。
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■ 編集後記
私も会社を辞めるときに、
「君の経歴に傷がつくから自己都合退職しなさい」
と言われました。
しかし、平気で会社都合退職を選んで
会社を辞めました。
再就職活動で面接に行った企業からは、
一切前職調査はいかなかったようです。
そもそもまともな会社であれば、
「前職調査自体がまずい」
ことを自覚しているものです。
私の事例をご覧いただいても、
「経歴に傷がつく」
という理由には根拠がないことが
お分かりいただけるかと思います。
あれこれ言うのは、
会社が退職者に
お金を払いたくないための方便です。
いまや、経歴に傷がつくどころか、
ネット上で堂々と
「会社都合退職しました」
と言っているぐらいです(笑)。
2.Q&A
Q.前職調査の同意書にサインすると、
前職調査をされても文句が言えない
とあります。
その場合、虚偽の経歴を履歴書に
書いていたような場合、
内定はあきらめざるを得ないと思います。
それは仕方ないのですが、
気になるのは、
「どの程度の割合の会社が、
同意書をとって前職調査をやるのか?」
です。
無視できない割合の企業が
同意書をとっての前職調査を
している場合。
やはり、多少の不利益は受け入れてでも、
円満退社した方がメリットが大きいように
感じるのですが。
A.同意書をとって
前職調査をやる企業の割合は、
現在のところ低いものとなっています。
外資系や金融系などが多いです。
多くの企業では、
そこまで採用に手間暇をかけていられない、
というのが実情です。
しかし、
自分がどうしても転職したい、
と希望する企業が、
同意書をとっての前職調査を
行っている可能性もあります。
どのみち、こういった情報は
調べようがありません。
ネットでいくら検索しても無駄です。
解決手段としては、
リクナビなどの転職サイトに
登録しておくことです。
こうした転職サイトの担当者は、
「その企業が採用で重視するポイント」
をかなりの精度で把握しています。
彼らの収入源は
「有能な人材を企業に紹介して
紹介料をもらうこと」
ですから、
「採用されそうもない人」
はあらかじめ弾くことで
仕事の効率化をしています。
こうした、採用の現場を知っている人間を
味方につけることで、
自分では気づけない落とし穴を避けられる
可能性はグンと高くなります。