退職届と退職願の違い 失業保険.comメルマガ

■ 第75回 退職届と退職願の違い

退職届と退職願。

 

このふたつの区別がついている方は

どれくらいいらっしゃるでしょうか?

 

多くの方は、

違いがあることすら

意識していないかと思います。

 

ですが、このふたつは

厳密にはまったくの別物です。

 

退職届ですが、これは

「会社が、退職を承諾しているときに」

提出します。

 

つまり、退職については

会社と合意済みであることが前提になります。

退職届と退職願い
退職届と退職願の区別・・・考えたこともありませんでした

一方退職願は、

退職の意思表明として提出するものです。

 

労働者の側から「辞めます」という場合は、

こちらを提出することになります。

 

・退職届=すでに決まった退職を届け出る書類

・退職願=労働者の側から退職を申し出る書類

と覚えておけばよいでしょう。

 

とはいえ、間違ったとしても、

問題になることは滅多にありません。

 

せいぜい、

用語の違いに細かい上司に

説教される程度です。

 

問題になりにくいからこそ、

区別がつかないままだともいえます。


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■ 編集後記

いざ退職の書類を書く段階になってから、

 

「退職届と退職願、

どっちにすればいいのだろう?」

 

と悩む方は意外におられます。

 

しかし、実はそんなことは

考えなくていい場合も多いのです。

 

多くの会社では、退職用の書式が用意されています。

 

「そこに用意された項目を埋めるだけで

退職書類はおしまい」

ということが多いのです。

 

事前にあれこれ悩むぐらいなら、

総務にでも聞いてしまったほうが

早いことが少なくありません。

 

2.実際に退職願いを書くことはない??

実務上のことを考えると、

退職願いを書く機会というのは、

まずないと断言していいでしょう。

 

より正確な表現で書くと、

「退職願いを書いても、受理してもらえない」

のです。

 

理由ですが、

ビジネスマナー上では、

「退職は、まず口頭で直属の上司に伝えるべし」

とされているからです。

 

事前相談もなしに、

いきなり「退職」の意思表示としての

退職願を提出する・・・

こんな会社辞めてやる!
こんな会社辞めてやる!といきなり切り出すのはマナー違反

このような行動は、

ビジネスマナー違反だ、

と拒否反応を示されるのが一般的なのです。

 

上司から怒られない退職の意思表示パターンとしては、

1.上司に直接、口頭で相談

2.退職日などを詰めた上で、退職届を書く

というのが実務上、一般的です。

 

裏を返すと、

「退職願か退職届けか」

で悩む時間は、

結局、無駄に終わることが多いのです。

 

また、1.でも書いたように、

退職届のフォーマットも、

その会社特有のテンプレートが

用意されていることがほとんどです。

 

会社には、その会社なりの

退職手順が確立しているのですから、

独自の判断であれこれ用意する、

というのは無駄な労力に終わりがちなのです。

 

3.辞表は、いつ書く?

退職願・退職届と並んで、

よく聞くのが「辞表」です。

 

ドラマや映画で、

上司の机にバーン!

とたたきつける書類のタイトルは、

なぜかこの「辞表」

になっていることが多いです。

 

しかし、これらのドラマや映画の描写は、

間違っていると言わざるを得ません。

 

というのは、辞表というのは、

一般のサラリーマンが退職するときに

提出する書類ではないからです。

 

辞表というのは、

雇われている側ではなく、

雇っている側の人間が辞めるときに

提出する書類なのです。

 

一般企業でいえば、

取締役クラスに該当します。

 

いわゆる

「経営側に立っている人間」

ですね。

辞表
辞表を書いていいのは、私のように偉い人だけです。

 

このような立場にいる人が退職する場合、

辞表を提出しても不自然とは言われません。

 

逆にいうと、

一般社員の立場でありながら

辞表を提出する・・・

といったマネは、

周りから笑われる行為となります。

 

どうせ辞める企業とはいえ、

馬鹿にされて辞めるのは避けたいところです。

 

こうした細かいところで評価を落としてしまうのも

馬鹿馬鹿しいですから、

思い込みで辞表を書く、という行動は避けたいところです。

 

最後に、補足。

 

「辞表」は、公務員の方が

退職意思を表明する場合にも使われます。

 

しかし、自分の意思で公務員を辞める・・・

という人は少数派ですから、

こちらもレアケースといえます。

 

結論としては、「辞表」

の出番はとても少ない、ということですね。