■ 第94回 失業保険の日額を少し増やす方法
会社を辞めた後にもらう失業保険。
1日あたりいくらで支給されるのですが、
この日額がどうやって決まるか
ご存じでしょうか?
おおまかには、
辞める前6ヶ月の給料
が基準になると考えて結構です。
この給与を180日で割って、
倍率(5~8割)をかけて日額が決定されます。
ということは、
辞める前に給料を増やしておけば、
失業保険の日額も
少し増えることになります。
よく勧められるのが、
残業をしまくるというものです。
しかし、これは
「残業代を一切出さないような企業」
だと通用しません。
・・・私が勤めていた会社のことですが
(完全に違法)
こういう場合、裏技として、
会社の遠くに引っ越してしまうのも手です。
失業保険の計算に使われる給与には、
交通手当も含まれるからです。
無職ですと賃貸住宅は
なかなか貸してもらえません。
このため、
引っ越しは「会社員の身分がある内」
にしておいた方が
よい物件が借りられるという事情もあります。
もちろん、
家やマンションの購入であれば
なおさら会社員の身分があるうちに
手を打っておくべきです。
再就職して、
また会社員の身分に戻るにせよ、
ローンの審査では、
「今の会社での」
勤続年数が問われるからです。
たとえ、
転職後に給料が大幅に上がったとしても、
「勤続年数が短い」
という理由で
住宅ローンの審査に通らなくなる、
というのは珍しい話ではありません。
少し話がそれましたので、
退職前のお給料に戻ります。
失業保険の1日当たりの金額は、
退職前180日の給料を基準に決められる。
退職前に通勤手当を増やして、
結果として失業保険の日額を増やす。
このような対策をしても、
増やせる失業保険の日額は
微々たる金額です。
しかし、
90日、180日と受け取ることを考えると
そう馬鹿にもできません。
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■ 編集後記
会社員の方には
想像がつかないかも知れませんが、
会社に勤めていない人は
賃貸住宅への引っ越しが
著しく不利になります。
無職だと、ごく一部の物件を除いて
まず審査に通りません。
私が受けた相談でも、
「会社を辞めて家賃負担が厳しいです」
という方がいらっしゃいました。
退職後の引っ越しを
考えておられる方は、
在職中に済ませてしまったほうが、
何かとスムーズに話が進みます。
本文でも触れましたが、
これが住宅やマンション購入になると
なおさらです。
会社員という身分がどれほど
社会的な信用があるか、
会社を辞めて初めて気が付いた・・・
という人は少なくないのです。
ほか、会社を辞めると
びっくりするぐらい通りにくくなるのが
クレジットカードの審査です。
「会社員時代は当たり前のように作れていた
クレジットカードを、
新しく作ろうとしたら審査に落ちてびっくりした」
という声は、退職した方からよく聞かれます。
私自身も会社員を辞めて独立して
仕事をしている身分です。
その経験から断言できますが、
会社員に比べ、自営業は
社会的信用は格段に落ちます。
感覚的には、三段落ちです。
以下は、どうでもいい余談ですが・・・
私も、
会社員時代にはあっさり通っていたような
賃貸住宅の審査に落ちています。
正確には落ちた、のではなく、
契約条件で
極端に足元を見られた経験があります。
賃貸住宅を借りる場合、
普通は保証人をつければ借りられます。
私の場合、
保証人以外に「家賃保証会社への加入」
も条件に加えられました。
つまり、
保証人+家賃保証会社
の二重の保証を要求されたのですね。
会社員時代よりは収入が上がっていて、
通帳の入金記録も提出したにも
関わらず、このような仕打ちです。
会社員がいかに社会的信用に優れていて、
自営業がいかに社会的に信用がないかを
思い知らされた場面でした。
私は足元を見られるのが大嫌いなので、
その物件はその場で断りました。
不動産屋があわてて
「でも、来月引っ越し予定ですよね?」
などと言ってきましたが、断りました。
結局、引っ越しは延期になったのですが、
足元を見るような業者とは関わりたくないのです。