■ 第104回 住民税を払わないとどうなるか?
退職すると、税金や社会保険料は
基本的に全部
自分で支払っていく必要があります。
会社に勤めている時に天引きされていたお金を
払うだけなのですが、
すでに手元にあるお金を持っていかれることに
多くの方が苦痛を感じています。
さて、そこで
「お金がないから、払わない」
人たちが出てくるわけです。
住民税、健康保険料、年金保険料・・・
この中で、不払いをすると
最も過酷な取立てを受けるのが
住民税です。
何が恐ろしいかというと、
「勝手に人の銀行口座を割り出し、
勝手にお金を持っていく」
からです。
住民税を取るのは自治体のお仕事ですが、
ここは銀行相手に
「こういう人の口座ないですか?
住民税払わないんですけど」
と問い合わせ、
情報開示させる強制力を持っています。
ですので、
別に引き落としの手続きをしていなくても、
強制的に引き落とされます。
さらに恐ろしいことに、
そのときにお金が入っていなくても、
入金があった場合は
最優先で持っていかれます。
例えば、失業保険が入金された瞬間、
国に全額持って行かれることも
十分にあり得ます。
「これじゃ、生活できないじゃないですか!」
と訴えても、
持って行かれたお金は返ってきません。
住民税の延滞は
他の社会保険料を延滞するのに比べて、
桁違いに危険です。
他の社会保険料の延滞と同じに見ていたら
恐ろしい目にあうことは間違いありません。
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■ 編集後記
今回の話を友人に話したら、友人も
「教えていないはずの銀行口座をつきとめられ、
引き落とされた」
とのことでした。
当然事前予告なし、
お金を持って行かれた後に通知が来たそうです。
やはり、頻繁に行われているようです。
この点、「差し押さえするぞ!」といいながら
ほとんど放置状態の国民年金保険料などとは
全く違うことがお分かりいただけるかと思います。
2.そんな国民年金も取り立てがきつくなる
上記を書いたのは、2008年のことです。
ここでは、国民年金保険料の取り立てが甘い、
と書きました。
「差し押さえするぞ!」
と脅しつつ、
ほとんど放置状態・・・
だったのは、実は過去のお話。
今や、
国民年金保険料にも、
執拗な取り立てが起きています。
国民年金保険料を納付している人の
割合があまりにも低い、
ということが問題になり、
取り立てが強化されたのです。
具体的には、
国民年金保険料の取り立てが、
民間の外部企業に委託されました。
こういった外部企業は、
国民年金保険料の取り立てを
国から委託して
取り立て業務を行っています。
国から委託された契約期間は、
2年~3年。
その間に、
国民年金保険料の
取り立て実績を上げないと、
指定業者から外されることになります。
このため、
国からの安定した受注を失いたくない
これらの企業は、
恐るべき頻度で取り立て電話を
かけ続けます。
この結果、
「国民年金保険料の取り立て電話が、
昨日から4回かかってきている」
といった事態に陥る人が後を絶ちません。
しかし、
電話がかかってきている間はまだマシです。
それでも国民年金保険料を滞納していると、
次の段階にシフトされてしまいます。
具体的には、
委託された取り立て業者の人が、
家にやってきたりします。
家に来られても
払えないものは払えないのですが、
それでもやってきます。
家に来ない場合でも、
許してもらえたわけではありません。
というか、
国民年金保険料を支払わずに、
無視さえしていれば
見逃してもらえると考えるのは
甘すぎます。
納付せずに無視していると、
今度は銀行口座を差し押さえられ、
強制的にお金を持って行かれます。
昔は、数ヶ月に1回、
督促通知が届く程度だった
国民年金保険料の取り立ても、
今やペースが遅いだけで、
住民税の取り立てと
やっていることは何ら変わりません。
どちらかしか払うお金がない、
というのであれば
住民税が優先ですが、
どのみち
支払うことになります。
「無視してたら、
その内あきらめるだろう」
という安易な考えだけは
避けて下さい。
ある日気付いたら、
「口座からお金が消えている」
という落ちが待っているだけです。