■ 第137回 違法給料
最近、給与が減った、
所得が低下したという報道が
非常に目に付きます。
多くの企業が経費削減に必死で、
給与もそのターゲットにされている
ということでしょう。
ところで、給料の最低額が、
法律によって制限されていることは
ご存じでしょうか?
東京都で時給791円、
大阪で762円と、
都道府県ごとに決められています。
(2010年度)
昔はいろいろ
ややこしいルールがあったのですが、
今は時給で一本化されています。
考え方は単純です。
例えば東京で働いていて
「時給791円未満」
ならこのルールに反していることになります。
「まさか、そんな会社滅多にないでしょう」
と思われるかも知れませんが、
この最低賃金を満たしていない企業は、
6%以上あります。
平成19年のデータですが、
6.4%の会社がこれを守っていませんでした。
多くの人が
「法律で決められた最低の賃金」
すらもらえずに働いている計算になります。
月給で働いている人は
あまりご自身の時給を意識することは
ないでしょうが、
一度計算されてみてはいかがでしょうか。
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■ 編集後記
この最低賃金ですが、
毎年10月1日に改正されます。
例えば、東京都は
平成20年度は766円でしたが、
平成21年度は791円に上がりました。
時給780円で東京で働いている方は、
平成22年の9月末までは合法でしたが、
10月から法律違反になったということです。
このように
「最低賃金の額が上がったため、
合法だったのが違法になってしまった」
というケースもあります。
ここは、意外と気づかない人が多いです。
■ 第138回 新卒切り&社員切り
新卒で入ったばかりの会社から、
退職を強要される新卒切りが
問題になっています。
昨年、内定取り消しが大きな問題になったため、
いったん入社させた上で
退職に追い込むという手口です。
内定取り消しは、
「悪質な場合、企業名を公開する」
というルールがあるため、
これを恐れた企業が
脱法手法して取り入れたものと思われます。
パターンとしては
「別室に呼んで
『無能』
『うちには向いていない』
『社会人としての心構えがなっていない』
などと罵倒し続ける」
というのがお決まりです。
嫌気が差したところで、
その場で退職願いを書かせるのです。
しかし、ここで退職願いを書くと
待っているのは自己都合退職です。
どう見ても解雇(しかも正当性が怪しい)ですが、
もっとも会社に都合の良い処理を
されることになるのです。
これは、新卒だけではなく
辞めさせたい社員には
普遍的に行われるリストラ手法です。
どんなに
「もうこんな会社辞めてやる」
と思っても、
退職願いを書いては会社の思うツボです。
決してその場で退職願いを書かないように
注意してください。
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■ 編集後記
「その場で退職願いを書いてはいけない」
といっても、一日考えて退職願いを出すと、
さらに状況はまずくなります。
その場で退職願いの提出を
迫られたのであれば
「判断する機会を奪われた状態で書かされた」
と主張することができます。
しかし、一日空けてしまうと
「熟考する機会があった」
として、退職願いが有効なものとして
取り扱われる可能性が
一気に高くなってしまうのです。
会社がしかけるワナにはまらないよう
「自分から辞めると言い出したのでなければ、
絶対に退職願いは書かない」
ことは徹底してください。
それが身を守ることにつながります。
「社会人としてなっていない」
という非難は必ず来ますが、
気にすることはありません。
もともと
「社会人としてなっていない」
という言いがかりをつけて
退職に追い込もうとしてきた相手です。
少々礼を欠く程度、
自分の身を守るという目的の前では
優先する必要など
塵ほどもありません。