■ 第153回 8月1日、失業保険の額が少しだけ増えます
毎年8月1日に、失業保険の金額が
見直しされます。
何日もらえるかという
支給日数ではなく、
1日あたりの支給額の方ですね。
これは、「退職前半年の給与」
を元に計算されます。
（正確には、180日です）
退職前に同じ給料を
もらっている人でも、
退職時の年齢によって
もらえる金額は変わってきます。
若い人ほどもらえる額が
少なくなってしまうのですね。
具体的な金額を見ていきましょう。
最高額ベースだと、
次のようになります。
・30歳未満 6,455円（310円増）
・30歳以上～45歳未満 7,170円（345円増）
・45歳以上～60歳未満 7,890円（385円増）
・60歳以上～65歳未満 6,777円（234円増）
300円程度の差でも、
90日もらえば2万7千円の差
ですから、
結構大きいのではないかと思います。
今から失業保険をもらう方は、
少し得することになりますね。
■ 編集後記
失業保険の日額が増額されるのは、
実は5年ぶりの話になります。
それまでは減額の一途でした。
増額の根拠は、
「平均給与が0.3％上がったこと」
だそうです。
・・・実感できませんが。
■ 第154回 失業保険がもらえるのは、退職後1年のみ
「退職後、海外に滞在していて、
最近日本に帰ってきました。
失業保険はもらえますか？」
たまに、こういったご質問を
いただくことがあります。
答えは、
「退職後1年間ならもらえます」
です。
失業保険がもらえるのは、
もらえる日数に関係なく、
退職後1年間と
決められているからです。
（失業保険を330日もらえる
場合に限り、
もう少し期限が延びます）
こうした説明をすると
「失業保険をもらう申請をしてから
1年間」
と理解される方がおられますが、
違います。
退職の翌日を1日目として、
そこから1年間です。
つまり、個人の対策で
期限を延ばすことはできません。
退職後1年を経過すると、
失業保険の受給日数が残っていても
失業保険は打ち切られてしまいます。
例えば、退職後10ヶ月。
何もしないでいて、
11ヶ月目に失業保険を申請。
すると、失業保険がもらえる期間は最大でも2ヶ月になります。
自己都合退職で
3ヶ月の受給制限が
ついている場合は、
1円ももらうことができません。
失業保険の支給が始まる
4ヶ月後には、
「退職後1年」
という制限に
かかってしまうからです。
退職後すぐに海外に出て、
しばらくして戻ってこられた・・・
という方は、
この制限にかかってしまう方が
結構な割合でいらっしゃいます。
「退職したら海外に行きたい」
「失業保険ももらいたい」
という両方をクリアするには、
失業保険を貰ってから
海外に渡った方が安全です。
■ 編集後記
「では、退職後1年の制限に
ひっかかる場合、
今まで加入していた雇用保険は
無駄になるのか・・・」
とガッカリされた方も
いらっしゃるかも知れません。
しかし、
行動次第では無駄にはなりません。
「すぐに再就職して、
また雇用保険に加入すれば」
よいのです。
1年の間が開いていなければ、
雇用保険の加入期間は
通算することができます。
ですので、
雇用保険に加入できるアルバイトを
一時的にする、
などの方法があります。
雇用保険に加入するのは、
1週間あたり20時間以上の労働時間
があればＯＫですから、
決して厳しい条件ではありません。
ただ、アルバイト＝
雇用保険に加入させる必要はない
と思い込んでいるような
困った会社は、
結構な割合で存在します。
そのような会社に引っかかると、
あらゆる計画が
破綻に追い込まれてしまいます。
ですので、募集要項の
「各種社会保険完備」を
頭から信じず、
多方面から
情報収集されてみて下さい。