失業保険の手続き・必要書類

1.失業保険の手続き・必要書類

失業することに慣れている、という人は滅多にいないでしょう。

多くの人は、退職後にどのような手続きをすれば失業保険をもらえるのか?
ということすら分からないと思います。

必要書類を確認
必要書類を確認

このため、「とにかく、ハローワークに行きさえすれば何とかなる」とばかりに窓口に行って、「あなたの管轄はここではありません」と門前払いされる人もいます。

失業保険の受給手続きは、「今住んでいる住所を管轄するハローワーク」でしか受け付けてもらえないからです。

勘違いして、会社の住所を管轄するハローワークに行ってしまう人が多いのです。

さて、どこのハローワークに行くのかが分かったからといって、何の準備もなしに出かけるのは良くありません。

必要書類がきちんとそろっていないと、また門前払いにされてしまうからです。

失業保険を受給するために必要な書類は厳密に決まっていますので、手続きに行く前にしっかり確認しておきましょう。

逆にいうと、これらの書類がそろわない内にハローワークに行っても、何もできないことになります。

1.雇用保険被保険者証
雇用保険の加入履歴を記した書類です。

2.離職票
退職後、10日以内に会社から送付されてくる書類です。

3.身分証明証
運転免許証か、なければ住民票を用意します。

現在の住所地が反映されていないといけませんので、まだなら事前に変更手続きをしておきましょう。

4.写真
縦3.5センチ、横2.5センチの写真を用意します。

これは、ハローワークが作成する「雇用保険受給資格者証」に証明写真として貼り付けられます。

5.印鑑
認め印でよいですが、シャチハタ印は避けましょう。

6.預金通帳

失業保険の受け取り先にしたい口座の預金通帳を持参しましょう。

 

2. 失業保険がもらえない条件

失業保険をするにあたって、当面の生活に不安がないよう支給される手当」です。

「この程度の金額じゃ、生活に不安だらけだよ」
と言いたい人は多いかも知れませんが、とにかく建前上はそうなっています。

ということは、再就職をする気がない人、あるいは再就職するつもりはあっても事情があって今すぐは無理な人は、失業手当を支給する対象からは外されてしまうのです。
分かりやすいように、以下に分類してみましょう。

1.しばらく再就職活動はせず、のんびりする予定の人
遊ぶつもりはなくても、資格試験の勉強に専念する、海外留学するなどを含みます。

2.病気やケガなど、すぐに再就職するのが無理な人
妊娠中の人を含みます。

3.独立準備を始めた人
失業手当は、あくまでも「再就職する人」のための手当です。

退職後に独立起業する人は、失業手当の支給対象にはなりません。

「独立の準備」段階で、まだ売上が1円も発生していない状態であっても失業手当をもらうのは不正受給となります。

留学中に失業保険をもらうことはできない
留学中に失業保険をもらうことはできない

問題はどこからが独立の準備と見なされるか?ですが、一般的には商品仕入れの契約や事務所の賃貸契約、社員やアルバイトの雇い入れ契約を結んだ時点からとなります。

ハローワークの説明会だと、「起業セミナーに出席したらもう独立準備だ」と脅されますが、その程度で不正受給とされた例はありません。

 

3.失業保険を延長しよう

失業保険は、いつでも好きなときにもらえるといったお金ではありません。

会社を辞めた翌日から1年間で、失業保険をもらえる権利は全部消えてしまうのです。

仮に、失業保険をもらっている最中であったとしても、退職後1年を境に、支給は打ち切られます。

失業保険の受給日数が、いくら残っていても関係ありません。

退職後、しばらく何もせずにぶらぶらしていた人や、海外に長期滞在していた、資格試験の勉強に専念していたといった人がこの落とし穴によくかかってしまいます。

退職後半年を経過してから失業保険の受給手続きをしても、そこから3ヶ月の受給制限期間がつきます。

途中で、失業保険が打ち切られてしまう可能性は高いでしょう。

こういった事実を、多くの人が知らないまま退職後の自由時間を過ごしてしまっています。

どうやっても期限切れになるタイミングで「何とかならないでしょうか?」と言われても、そこまで放置した後だと解決策はありません。

しかし、これらの人たちは自分の意思で手続きをしなかったのですから、自業自得と言われても仕方ありません。

気の毒なのは、病気やケガで「再就職したくてもできない」人たちです。

こういった場合は、本人の責任ではありませんので、国がきちんと救済策を用意しています。

延長手続きをとることで、1年単位で失業保険の受給期限を延ばすことができるのです。

最高で3年間延長できますので、元々の期限と合計して4年間の猶予があります。

しかし、自分から申請しないとこの救済策を利用することはできません。
自動適用にはなりませんので、注意が必要です。

手続きは、働けない期間が30日を経過してから1ヶ月以内に行います。

ハローワークの窓口で「受給期間延長申請書」という書類を作成して申請します。

離職票と延長理由の証明書類(診断書など)、印鑑を持参しましょう。

病気の場合は、失業保険の延長申請をしましょう
病気の場合は、失業保険の延長申請をしましょう

 

4.まとめ

・失業保険の手続きは、必要な書類が指定されている。

・書類がそろわない内に手続きに行っても追い返されるだけなので注意。

・失業保険は退職すれば無条件に出るというものではなく、「働く能力」と「働く意思」が両方ある人でなければ受給することはできない。

・失業保険は、退職後1年でもらう権利が消滅する。これは、失業保険を何日受給できるかということとは関係ない(支給日数が330日の場合だけは別)。退職後に海外留学・・・というパターンで、この制限にひっかかる人が多い