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■ 第12回 有給消化のタイミング その1

さて、今回からは、

正社員の人にも関係がある内容です。

 

前回までで、

パート・アルバイトの人でも

有給休暇をもらう権利があると書きました。


参考記事:

パート・アルバイトに有給なし?


 

ですが、現実に

有給を全部消化できる会社

なんかほとんどありません。

 

それどころか、

1日取ろうとしただけで

嫌味を言われるところが多いでしょう。

 

中には、有給休暇を申請しただけで

査定を下げる会社もあったりします。

 

1日休んだだけで

ボーナスを1ランク下げられたら

高すぎる休日ですよね。

 

また、会社の業務が回る

ギリギリの人数にリストラし、

「自分が休んだら、

部署の仕事が回らない」

という雰囲気を作るのも常套手段です。

 

もともと、真面目な人が多いですから、

そうなると自分の事情よりも

会社の事情を優先してしまいがちです。

 

そんな事情もあって、

有給を取れるのは病欠のときくらい、

というのが現実です。

 

しかし、

それこそが会社が狙う

「有給休暇阻止」

の典型的な手口であることを

忘れてはいけません。

 

もっと酷い例だと、

病欠で有給が残っていても

欠勤扱いにして

給料カットする

会社もあるようです。

 

病気で休んだら、有給が残っていても欠勤あつかい
病気で休んだら、有給が残っていても欠勤あつかい

 

「じゃあ、有給なんて

あってもなくても同じじゃないですか?」

そう思われる方もいるかも知れません。

 

ですが、退職のときになると話は違ってきます。

仮に有給が最高の40日間たまっていたら・・・

 

月20営業日として、

2ヶ月は何もしないで

お給料がもらえることになります。

 

この期間にボーナス支給日が重なっていたら、

併せてボーナスを受け取ることも可能です。

 

ですから、退職時に

有給休暇の消化を認めさせるかどうかは

死活問題になってきます。

 

ところが、会社は辞める人間には

とにかくお金を払いたくありません。

 

そこで、どうにかして有給を全部返上させて

会社を辞めてもらおうと

あれこれ理屈を考えます。

有給なんか取れると思ってるのか
有給なんか取れると思ってるのか

次回は、退職時の有給消化に関係してよく起きる、

会社と社員の攻防を見ていきます。

 

そのまま、下の記事にお進みください。

■ 第12回 有給消化のタイミング その2

前回は、

 

「会社は辞める人間には

一円もお金を払いたくない」

 

「辞めるときにどうにかして

有給の消化をしないように持っていく」

 

ということを書きました。

 

会社がよく言う言い訳の

パターンはこんなところです。

 

「有給休暇は、リフレッシュするためのもの。

だから辞める社員がもらうものではない」

 

「働いていないのに

給料がもらえるわけないだろう?

会社は今大変で・・・」

 

こういった理屈は、

会社の外に一歩出れば、

まったく通用しません。

これは大きなヒントです。

 

会社が有給を認めないというのなら、

会社に外から圧力をかけてもらいましょう。

 

駆け込み先は、労働基準監督署です。

 

ちなみに、「署」とつく行政機関は、

捜査権と逮捕権を持っています。

 

会社の上層部が死ぬほど嫌っている

お役所を味方につけましょう。

もう、労働基準監督署にチクるしかない
もう、労働基準監督署にチクるしかない

ですが、ただ

「有給を取らせてもらえないんです」

と言っても相手にされません。

 

労働基準監督署の職員は

一人で多くの案件を抱えています。

 

ですから、嘘か本当か分からないような

訴えの相手をしている暇はないのです。

 

自分の訴えが正当であると証明するために、

証拠を用意しておく必要があります。

 

つまり、「その証拠が用意できるかどうか?」

が有休取得できるかどうかの

勝負の分かれて目となります。

 

次回は、

「労働基準監督署へ駆け込むときに用意しておくもの」

を見ていきます。


次回記事:

労働基準監督署へ駆け込むときに用意しておくもの